お肌のお悩み
「はぁ……あーあ……」
「ん? あら貴女、元気ないじゃない。それじゃせっかくのお肌も勿体ないわ。ほんと瑞々しくて羨ましいわ」
「そうよねぇ! ほんとキレイ! 私なんて肌カサカサで、もー困っちゃう」
「貴女はいいじゃないのよぉ。小顔だものぉ」
「えーでもぉ、あたし、あの子と近いから比べられちゃったりぃ……あら? どうしたの? そんなに震えて、それに泣いているの……?」
「……わかってるんでしょ?」
「え? 何が?」
「なになに……?」
「この前、私から虫が飛んだの、あなたたちも見たでしょ!? もう嫌……なんで私ばっかり……」
「そ、そんなの気にすることないわよ!」
「そうよ、そのうちいなくなるわよ! だから、ね? 元気出して?」
「昔はこうじゃなかったのに……グスン」
「ふふん、泣くことないわ!」
「え! あ、貴女が話しかけて下さるなんて……」
「あ、相変わらずお美しい……」
「素敵、お肌が輝いているわぁ……」
「私が貴女に解決方法を教えてあげる。いい? まずはミストよ。大事なのはうるおいなの。
それから泥パックなんかもいいわね。そして、強めのマッサージの後、ぜんぶ、一気に洗い流すの。それで汚れも虫もイチコロよ! どう、貴女にできるかしら?」
「は、はい! 私、やりまぁぁぁす!」
その日。突如として地球の全ての火山が大噴火を起こした。
空を覆い隠す灰と煙。大地に広がる溶岩。
しかし、それはまだ序章に過ぎないことを人類はまだ気づいていなかった。




