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雉白書屋短編集  作者: 雉白書屋


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二人のみ

 はい、かんぱーい! っと、いやーまさか君と二人きりで飲めるなんてねふふふふ。お酒も美味しい美味しい、ん? ええっ、そんなに、いい飲みっぷりかなぁ? いやーじゃあもっと飲んじゃおうかな! って僕を酔わせてどうするつもりだーい? ふふふふ、僕としては君を酔わせて……え? 嫌? いやぁ怖いなぁその目。うーぶるぶるぶるお酒を飲んであったまろうっと、え? 彼の話? 彼ってああ、彼ね。聞きたい? ふふん、まあ僕は彼の一番の親友だしね。いや、わかるよその気持ち。何せ高身長で顔もいい。社交的で頭も運動神経もって、はははっ改めて言わなくてもわかるかぁ。うちの大学の有名人だしね。うんうん、内面も知りたいよね。そうそう見えない部分ね。

 そうだねぇ、何よりもセンスがいいよね! 芸術性さ! わかる? 芸術、ん? ああ、あんまりか……。

 じゃあ、こんなのはどう? 彼のモノについてさ。おっ、ふふふ、知りたそうだね。このスケベ! なんてね、冗談冗談! いやー、大きさなんてそりゃもうすごいもんだよ。あれを入れられた時、僕なんて悲鳴上げちゃったもん。まあ僕だって中々のモノだし、別に今ここで脱いでそれを証明しても……え? どういう意味かって? だからさ、彼の家に上がった時さ、お酒を飲んでいたら体が熱くなって服を脱いだんだよ二人ともね。どっちが先に脱ぎだしたんだっけな? まあいいや、あ、これもどっちが先に言いだしたか忘れたけどさ、相撲を取ろうってことになって、いやぁ、彼の筋肉ったらすごいんだ。あはぁ、あれこそ芸術だよ。それにうんうん強かったな。いやでも惜しかったんだよ? 僕の腕だってほら見て? この力こぶ。触ってもいいんだよ? あ、いいの? そう。話の続き?

 まあ、んで負けたんで罰ゲームだって言って、僕はパンツを取られ体にラップを巻かれたんだよ。そ、あのラップね。お皿の上にかけるやつ。それはもう、ぐるぐる巻きさ。容赦なかったよ。顔までだよ? でもまあ鋏で口の部分は切ってくれたから息はできたんだけどさ、何せ暑い暑い。全裸なのにね。

 でもなぜかお尻の部分は巻かれていなかったから、僕はお尻を突き上げて、お尻の穴でも呼吸を始めたんだ。ひぃーふーひぃーふーって具合にね。

 するとそこに何かが、いや、彼のナニが突っ込まれたって訳さ。もうミチミチミチィ! メリメリメリィ! ってなもんだよ! 丸一日、穴から血が垂れるから僕はティッシュを詰め替える作業に追われたし、三日間はウンチする度に激痛とやっぱり血も出るから、なるべくスープ系で食事を済ませなければならなくなったんだもの。

 いやぁ思い出すとお酒が進む進む。お酒は万病の薬だね。痛みにうなされ寝付けなかったあの夜も助けられたよ。いやぁふふふふ、真下さんも手当てしながら笑ってたよ。ふはははははは! って具合にね。

 え? 真下さん? 執事? はははっ違う違う。確かに彼の家は大きいけど屋敷って程じゃないよ。真下さんって言うのはそうだなぁなんて言うんだろ? ペット的な? いや、それだと僕もそうなっちゃうかな。同志? うーん、彼に魅せられた一人と言うか……。

 まあいいや。とにかくそう、彼はすごいんだ。何といってもその芸術センスがね!

 彼の家のオブジェ。全裸の女性が向かい合って椅子に座ってるんだけど、それがさ、股をおっぴろげているのに全然下品じゃないんだ。何故かと言うとね、首がないんだ。首の断面をチュッとくっつけてそれはもう美しい構図なんだよねぇ。

 それに芸術と言えばやっぱり絵だよね! 九枚の絵なんだけど、どれも一人の女性をモデルにしたものなんだ。背景も構図も同じなんだけど、ふふふ。それがさ、九相図をモチーフに描いたんだよねぇ。ああ、最後の絵、なんて美しい……。それにどれもまるで生きているような……。

 あの絵のモデルが羨ましいよ。僕だって彼に色々捧げているのに……。

 ほら、この目だって義眼なんだよ。でも真下さんにそれを言ったら、真下はもっとすごい物を彼に渡したっていうんだ。何だろうね? 大事な物だってさ。それでね、あれ? 眠っちゃった? いっつもこうなんだ。僕の話ってつまらないのかな。みーんな眠くなっちゃうみたいなんだ。彼は僕を人をリラックスさせる天才だって言うけど、僕には自覚ないんだよね。

 あ、着いたよ。真下さん、運転ありがとね。それはそうと流石にこのリムジンはレンタルだよね? まあいいや。うん、じゃあこの子を彼のもとに運んでおくから、え? はははっ! うん、そうだね、ああ、楽しみだ。

 この子はどんな作品になるんだろうね。

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