表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雉白書屋短編集  作者: 雉白書屋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

546/705

一堂

「嘆かわしい嘆かわしい。苦心の末に国を統一したというのに民を制御できていないとは」


「まったくですな始皇帝殿。こちらも自由をもたらしたつもりが格差が開くばかり……。なあ、竜馬殿」


「いやー、まったく乱世乱世ですなリンカーン殿。貴方はどうです? ソクラテス殿」


「……無知ばかりだ。馬鹿ばーっかり。おい、聞いているのか聖徳太子」


「え、ごめん、なんだって? あ、来た。みんな、静かに」




「ふふっ御機嫌ですね。何をされていたんですか?」


「いやぁ、この前自分がナポレオンだと思い込んでいる患者が来ただろ?

その気持ち、治療法を探るべく私も自分が世界の偉人であると思い込もうとしていたわけだよ」


「あー……なるほど。でももう夜中ですし、お休みになってくださいね、先生」


「うむ、ありがとう」


 看護師はやれやれとばかりにため息をつき、ドアを閉めた。

 そして小さく舌打ちをする。


 今度は精神科医になった妄想か。自分がナポレオンだと思い込んでいる患者ってお前のことだろうが。この前、散々暴れやがって。まだ腕の痣が消えてないぞこっちはよ……。


 精神病院の廊下に看護師の足音が寂しく響いた。





「……行ったようだな? で、どうだ一休よ」


「ばっちりです。鍵穴にガムを詰めておきましたから閉まってません! 奴さん気づかずに行っちまいましたぜ!」


「よし、ならば行こう。他の者も準備は良いようだ。

日に日に賛同者が増えるから大所帯になってしまったな。

我々はここから出て世を正さねばならない。

まったく貴方の思想は最高ですよ。ヒトラーさん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ