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雉白書屋短編集  作者: 雉白書屋


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512/705

写経

「……なんだか心が洗われていくのを感じます」


「ほう」


「精神を集中させるからですかね。

最初は大雑把で、ただ自分の感情をぶつけるだけだったんですけど

途中から……そう、まるで導かれるように、この手が動くんですね」


「そうですか……ただ――」


「ほら! 見てください! 最初と比べて綺麗になってませんか!?」


「いやぁ、最初と比べたら汚くなっているんじゃないですかね」


「そんな! ほら! よく見てください! 

この辺が一番最初で、今やってるここが最新です!

ね? ほら、綺麗、ううん、それだけじゃなく何かこう

見えない力のようなものが宿っている気がして」


「まあ、そこは否定できませんがね。念みたいなものが……」


「そうでしょうそうでしょう。雑念が振り払われ

心が解放され、邪気のようなものがこの一点に宿っているんですよ」


「邪気がたくさんですね」


「ふふふっ、お恥ずかしい。でもまだまだこれからですよ!」


「あー、いやもうその辺でやめましょうか?」


「嫌よ、気分が乗って来たんだから!」


「あー、これから行く場所でも多分、似たような事できますから」


「ここじゃなきゃダメよ、彼の――」


「さあさあ、ね? そうそうスプレーを置いて手を出して。

はーい二十三時四十五分建造物損壊で現行犯ね。

お姉さん、人の家に落書きはまずいでしょーしかも『呪』って……」

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