悪魔のサークル
「さぁさぁお集りの皆さん! 今宵、用意されたのは残虐非道悪鬼羅刹!
その手で何人も殺してきた血塗れの鬼畜外道!
さあ、それを処刑するのは……番号札三十五番! 八十八番! 二十九番!
さあ、前へ! どうぞ、ステージに上がってください!
おや? 何です? 不安? ふむふむ、おっと二十九番さん、今夜が初参加?
ふふふ、そうだと思いました。なぜならほら
お顔を隠すマスクがちょーっとずれていますよぉーっと
そうそう直して直して。はははは、でも恥じる必要はありませんよ!
ええ、誰しも初めての瞬間はありますとも!
さあ、恥ずかしがらず、遠慮もなさらずに!
御覧の通り、この男は体を縛られ、覆面を被り
さらにその下は猿轡を付けられているので、くぐもった悲鳴しか出せません!
つまり屠殺前の豚同様! 情を寄せる必要一切なし!
あなた方はその仮面の下、本能を剥き出しにし己を開放するのです!
コツはまず、ご自身が楽しむこと。
回数を重ねる毎に観客の楽しませ方がわかっていくものです。
この男はよくわかっているようですよ。
ええ、ふふふ。ほら、良い感じで悶えてますね。準備万端といったところ!
さあ、チェーンソー! 斧! ハンマー! 刀! 鋸! なんでもご自由にどうぞ!
嗚呼、平和すぎる今の時代。需要と供給を満たせるのはこの場所だけ!
そうそういいですよ皆さん! そう! 楽しんで!
同情心は捨てて、さぁ! そうそう! その男は人殺しです! 遠慮なくどうぞ!
血に塗れましょう! さあ、見ている皆さんもお知り合いを誘ってみては?
定員オーバーになることはないのですから」




