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雉白書屋短編集  作者: 雉白書屋


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待っている

「……私、こう見えて全然友達いないんですよ」


 知らねえよって、デブでブスじゃねえか。暗そうだし、そのまんまいなさそうだわ。


「でも、親友がね、いたんですよ一人」


 だから知るかよ。無視無視。クソッ、早くバス来いよ。

さっきからブツブツと独り言言っているこんな変な女と早く離れたいんだよ。

あ……でも家までついてきたら困るな……ははっ、まさかな。


「本当に仲が良くて……でもね、ある夜

待ち合わせに来なくてどうしたんだろうって思って

彼女のアパートまで行ったんですよ……そしたら、うっ、うっ」


 夜の上にこの大雨だから遅れてるのか? 白いレースのカーテンみたいだ。

運転手、これじゃ視界が悪いだろうな。事故でも起こして遅れてるんじゃねえのクソッ。


「彼女、部屋で……三、三人の男たちとベッドの上でヤってたんです」


「マ……」

 

 マジか……と、つい、声出しそうになった。

輪姦? まあ、その女はいい声出していただろうがな、つってな。

んでどんな風だったんだ?


「彼女、その後自殺して……」


 うーわ、飛ばすなよ! 描写描写!


「それで……私、許せなくて。その男たちを今も探しているんです。

必ず、必ず……彼女と同じ目にぃ……」


 うへぇ、復讐か。いや、そもそも実話か?

この女の妄想なんじゃないか? 証拠あるのかよ証拠。


「動画、ネット上に拡散したんだけど手掛かりが見つからなくて」


 え、マジ? どっかのエロサイトかSNSにないかな?


「みんな、興奮するばかりで」


 まあ、男なんてみんなそんなもんだ。男はケダモノってな。


「……でも、男たちの内の一人が

このバス停を利用しているってネットの書き込みを見て」


 それこそデマだろ。しかし、それらしい動画はなさそうだな……っと

スマホの充電が切れそうだ。


「そもそも、男たちの顔が良く撮れなくて……。

カーテンがほんの少ししか開いてなかったから……親友しか映せなくて……」


 ……あ? 動画ってこいつが撮ったのか?

んでそれをネットに拡散って……それ……。


「あんなケダモノ共と楽しそうに! わ、わた、私との約束をすっぽかして!」


 は……? 復讐って……。


「ねえ、さっきから否定しないっていう事は貴方なんでしょ?

ああほら、へへへ、やばいって顔してる……。

そのスマホ。他の連中と連絡取り合ってるの? ねぇ。ねぇ!」


「ち」


 ちがう、こいつ、力、強。あ……バスが……あ――

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