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雉白書屋短編集  作者: 雉白書屋


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恐怖体験

 これは昔、私がした恐怖体験なのですが……。


 ある日、私は電柱の横で少女が何もせず、ただ立っているのを目にしました。

この近くに子供は住んでいないはず。

どうしたのだろうと思い、私は家に入った後も窓からしばらくその少女を見ていました。

 どこか幸薄い、でも可愛らしい子でした。

しかし、私がちょっと目を離した隙に少女は忽然と姿を消しました。

まるでそう……幽霊のように。


 でもまたある日、その少女は前と同じように電柱の横に立っていたのです。

 もしかして今、この少女を見ているのは私だけ?

 そう思った私はぶるっと震えあがりました。

 そして……



 冷蔵庫から出した飲み物をそっと少女の近くに置いた私は

少女にどうして電柱の横にいたのか訊ねました。

 でも、少女は何も答えてはくれません。

 ただ黙って下を見つめるばかり。

 私も黙って少女を見つめました。

すると……少女は……はらりはらりと涙を零し始めたのです。

 とても悲しげで私はつい、少女に手を伸ばしました。


 すると……


 突然……


 インターホンが鳴ったのです!

 私は金縛りにあったように動けなくなりました。

 そして私が何も応えずにいると……


 ドンドンドン!

 玄関のドアが激しく叩かれたのです!

 ああ、そんな……

 一体どうして……

 私は震える手で、鍵を開けました。

 すると


「警察だ! 未成年者誘拐の現行犯で逮捕する!」


 家に踏み込んだ警察官に私は逮捕されてしまったのです……。


 後で知った話によると少女は母親と離婚した父親に会うために

こっそり帰り道で待ち伏せしていたそうなのです。

 近所の人も一人で危ないなと少女を気にしていたところ

私が無理矢理少女を家に連れ込むのを目撃していたらしいのです。


 ああ、人の目って怖い怖い……。

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