表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雉白書屋短編集  作者: 雉白書屋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

335/705

呪いのDVD

 夜、とある一軒家。和室にあるテレビの前に三人の少年が集まった。


「覚悟はいいか……? じゃあ、再生するぞ……」

「へっ! どうせ大したことないんだろ?」

「そー、そー。ショウタはちょいちょい大げさに言うときがあるよなぁ」


「へへへっ、お前ら、今に吠え面かくぞ……。従兄弟のにーちゃんから貰った、ガチって噂の呪いのDVDだからな。ちなみに俺もまだ見てない。さあいくぞ……よし、再生!」

「……んー。お、あれか? 顔?」

「ほー……」


「へっへっへ。ガチだろう? どうだ、びびったか? あ? え、なんだこれ! こ、この女! 知らないぞ! 俺はこんなの!」

「は? 女? どれだよ?」

「てかショウタお前、その言い草。さては内容知ってたな」


「い、いや、確かにこれは俺が作ったフェイク動画だけど、こんな女知らない!」

「……ぷっ、はははははは!」

「びびってやんのー!」


「実は俺らがその映像にちょっと足しておいたんだよ」

「そ、お前、学校に持ってきてたろ? 今夜これ観にうちに来いよってさ。休み時間に鞄から抜き取ってパソコン室でちょちょいといじって……ん? ショウタ?」


「お、おい。まさか、気絶? おい……う、うわあああああ!」

「なんだその目! やべぇ! と、取り憑かれたのか!?」


「……ぷっ、ははははは! 引っかかったな。カラコンだよカラーコンタクト。用意しておいたんだよ!」


「クッソー! やられたぜ。なあ、コウイチ……お、おい!」

「こ、コウイチ! お前、血が!」


「ゴフッゴフッ! ゴッフふふふふふはははは! 血のりだよ。騙されたな! 隙を見て口に含んでおいたのさ」


「お前、くぅーやるなぁ! でも服が血のり塗れに……お、おいゲンタ! こいつ! 白目剥いて泡吹いてる!」

「まぁどうせ、演技……うお! 小便まで漏らしてるぞ! やばい!」


「あ、あ、あ……はっはっは! ドッキリでしたー!」


「なんだよもー! その小便、お茶か何かか?」

「いや、本物だけど?」

「おい! 俺の家だぞ! ふざけやがって……あ、ああああぁああぁぁあ!」


「どうしたショウタ、おい、おい、やめろよ!」

「あああああぁあ! あああぁ! ああああぁぁぁ!」

「やばいぞ! 壁に頭を! 血が!」


「あああああ! ああぁ! ああっははははは! ドッキリ返しでしたー!」

「おいおい、すごいな、マジかよ! ひひ、ひひひ、ひっひひ!」

「おい! コウイチ! こ、こいつ、自分で自分の爪を剥いで……」


「ひひひひひひ! てってれー! ってね!」

「なんだよまたかよー……う」

「マジか……ってゲンタ! おまえなぁ。口から血のりは二番煎じ」


「違うぞショウタ! ゲンタのやつ、舌を噛み切っている! ほら! 歯から出てる!」

「マジだ! やべえぞ!」


「ふぇっふぇれー! どっふぃりでしたー!」

「うわー! やられたよ!」

「まったくだぜ! あははははは!」


 少年たちはゲラゲラ笑った。そして思った。

 

 あれ?

 何か変じゃね?

 これって俺ら……。

 でも、なんだか楽しくってやめられない。

 今度は自分の指の骨を折ったらこのふたり、どんな顔するんだろう。

 想像すると、ふふふふふふあはははははああああああああああああああああ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ