第88話 教会にて
「! 動きが……」
「止まった?」
「ミアズマがやったのか?!」
操られた人々と四人が協会前で奏でていた戦闘音。
それがふわりと止み、糸が切れたように操り人形の群れが頽れて行く。
「でも、これだけ操られていたものを急に止めるなんて……一体どうやったのですか?」
「それは不明です。
しかし一つ言えるのは、事態が変わったと言うことでしょう。
ロザリア・アオザホース?」
「? なんだ」
「報告によれば、熾天化を行使された魔獣は"瀕死になってから熾天化の症状を引き起こした"のでしたね?」
「……!! まさか────」
「アラタさんが危ないのではありませんか!?」
クリスティナも悲鳴をあげる。
「事態は常に最悪を想定して動くべきです。
ましてこのような大規模の魔法を行使する相手、何を準備していても不思議ではありません」
黒杖で地面をトントン、と叩き、生きた鎖がカトレーヌの影に沈んでいく。
「もし行くのであれば、この人々の対処は任せてください。
私が……可能な限り助けます」
ベルナデッタの苦しそうな表情には、それでも覚悟が浮かんでいる。
「なら、私が傷を治す。
リッキー殿はマナポーションの生成を」
「賛成します。
迅速に行動すべきですね」
「わたくしも、マナの残滓を追跡できるようにサンプルを作ります!」
闘いが終わってなお拭えぬ不安と脅威に向かい、彼女達は一斉に動き出した。




