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第73話 アラタの過去①

〇〇〇〇



 俺の生まれは、ここヒューガナツから北にある雪国、"フユキ連邦"とヒューガナツ、そして東にあるミミヤキッカの国境沿いにある国……名前を、魔兵国家ヴァラトーと言う。




────魔兵国家?




 そうだ。



 山の麓にある国境を任された俺たちの国は、兎に角強い印章士を束ねて魔法使いによる軍隊を作ることが第一目標だった。



 『我らが強さは連邦が強さ。強さが全てを護る糧』ってのが理念さ。



 それで印章士の登用が始まってから、二つの制度が作られた。



 一つは、印章騎士。


 国の重鎮や国そのものに仕える印章士で、国で作った筆記試験、魔法試験、印章術試験の三種を通った奴だけに与えられる免許だ。



 人気なもんで、毎年100人以上受ける。



 これがあるだけで、普通の役人や軍人よりはるかに高い給料と地位が与えられる。




────難しい試験なんだね。




 いや、軍属や然るべき魔法教養が受けられれば、勤勉な奴なら割となれる。



 なれないとすれば、よっぽど素行が悪いか極化回路を抱えたやつかのどちらかだな。



 もちろん、権力を振りかざして踏ん反り返る横暴な奴は権利を剥奪されるし。




────極化回路の人はなれないんだね。




 そうだ。極化回路を発症した者は試験資格がない。


 だから、そういう奴はもう一つの制度を利用するしかない。



 それが……真章騎士(パラディン)だ。




────真章騎士は、関係ないの?




 無い。細かい試験もない。



 なるには方法が二つある。




 一つ、現職の真章騎士を殺すこと。


 二つ、真章騎士の席が空いてる際に、印章術試験でその他全員の受験者を制圧すること、だ。




────!!!!!!




 先に言うが、俺は後者だ。


 遺言で師匠に推薦されて、印章術試験のみに参加して達成した。



 真章騎士(パラディン)って言うのは、国の中で12席しかない。



 各属性のスペシャリストを据えるんだ。



 よっぽど席を埋めたくない都合があるような、国が絶対に手放したくない逸材に関しちゃ別なのかもしれないけどな……エリクのように。



 更に言えば、真章騎士志望で印章術試験にだけ参加する奴は、赤いスカーフを腕に結ばれる。



 そいつを倒して"腕ごと"スカーフを提出すれば、印章術試験は絶対合格、っていうルール付きだ。



────そんな。



 事実だよ。



 それくらい、強いことが求められた。



 同時に魔法教養を広める政策は多かったから、厳しいだけでもないけどな。



 その代わり、貧しい連中からは魔法犯罪者がたくさん生まれたよ。


 それを討伐して首を持ち帰ることも、印章騎士の仕事だったのさ。



 そうやってがむしゃらに力を振るって、命を狙われることが恐ろしくて仕方なかった時、アイツらに出逢ったんだ。




 エリクと、マリィにな。

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