大事なもの
魔法とか亜人とかが一緒に発展していった世界観だよ(今頃)
バイクでクオンをガレリアの寮まで連れていった。
「どうだ、やれそうか?」
「やれなくは無いがここまで古いとはなぁ」
「ろくな整備してなかったでしょ、関節の一部焼けてるし多分水作業ばっかやらせてたね」
「うっ…」
水物は大変だからいつも任せっきりだったからなぁ…
「パーツの新調と防腐処理、配線の見直しをしなきゃだなこれ」
「BE-5のパーツの在庫なんて無いだろ?」
「だから同世代のAF-2Nのパーツを使う、当時の技術力ならどの企業も同じ工業製品だろうし」
「端子は3Dプリンターで製造、無理な所は手作業で作る。現場整備士の腕の見せ所ね」
「これは長々やりごたえがあるな、こんなのは初めてARを整備した時以来だ」
「クオンを頼むね、今日は宇宙から帰ったばっかだし疲れた」
「お疲れ、クオンはちゃんと治しとくから任せとけ」
「ありがと」
「修理は明日の夕方頃には終わってるからな」
「了解」
今日は色々あって疲れたよ…シャワーを浴びてさっさと寝ますか。
「さっぱりした、どうしたぁ?」
ドラゴンが足元によってきて甘えてきた、今もそうだか名前を付けていない。これは保護対象であるドラコンを自衛できるまで保護するのが決まりのため、保護した人間になつかないようにするため名前を付けるのは禁止になっている。だけどな。
「こう近付かれると触りたくなるよ」
下から抱き上げ全力でわしゃわしゃしてやった、スッゴいくすぐったそうだが嫌がる様子はない。
「まぁこうして戯れるのももうすぐ終わりだ、ちゃんとやってけるか?」
ドラゴンは首を傾げた後にこちらの顔をなめてきた。
「はいはい、明日は休みだけど寝かせてくれ」
離れそうに無かった為一緒に寝ることになった。
「なんだよこんな朝早く…」
久しぶりに朝のドラゴンのブラッシングしていたら携帯に着信が来た、今8時だぞ。
「もしもし?」
『リュウジか!?戻って来たんだな!?』
「なんだよそんなに食いぎみで」
『戻って来たらARの操縦について教えるって言ってたじゃないか!』
「あっ」
通話に出たのは普通のパイロット訓練生のニコルだ、主に電子戦に強い娘だけどARの戦闘はからっきしらしく戦闘評価は通常パイロットでも最下位を争うぐらいだ。
「あぁ…分かった、11時頃に第4訓練施設に来て。確かホログラムポットがあったハズだしそこでやるよ」
何よりまだ俺の懲罰はまだ終わっていない。
『分かった!すぐに用意するよ!』
「しっかしやけに嬉しそうだったな、軍の訓練はそこまでなのに」
まぁ厳しいし肌に合わないのかもな、俺も昔の訓練は苦手だったし。
「さてと…これで終わりだな、今日は用事があったらしいから夕方まで帰ってこれないからおとなくししろよ?」
ドラゴンは頭が良いし多少の聞き分けはできる、普段からクオンや俺からの指示はよっぽどの事が無い限り破ったりはしない…はず。
「飯は―置いとくから腹減ったら食べろよ?」
なんだよ落ち込んだ様子で此方を見るな、やめろ、やめてくれ、それは俺に効く。
「やっと来ました!」
「あのドラゴンの相手してたら遅れた…」
だってね、アイツ相手しないと拗ねるんだよ。まともにご飯食べなくなるしソッポ向くからめんどいし。
「顔を傷ついてますよ?」
「マジだ、まぁ浅いし大丈夫だろ」
「それじゃ行きましょうか!」
「お、おう」
俺は腕を引っ張られながら施設に入っていった。
「お?デートか?」
「何が言いましたってアレクさんですか」
ホログラムポットの使用申請を済ませた所に在留艦隊のパイロットであるアレク軍曹に後ろから話しかけられた。よく聞こえなかった、マジよ。
「いや何でもない、それよりポット使うのか。実技訓練の方がいいだろ」
「俺、ARの操縦がしばらく禁止になってね…ポット使うしかないのよ」
「あの違反はお前だったのか、まぁ除隊じゃなくて良かったじゃねぇか」
「ハハッそうだな」
「そんな事あったんだ」
「あれでも死にかけんたんだぞ?死者も出たし」
「まぁ無事で良かった、気軽に話せる友人が減るところだったよ」
「こっちも友達に会えなくなるのは嫌だからね、じゃホログラム使うからまた」
「おう、使いすぎは気を付けろよ」
アレクさんと離れてもホログラムポットがある場所まで来た。
「じゃ、サーバーはこれで機体は―」
「デルタでいい?」
「それでいくか、ナタリー起きろ」
『えっ』
ホログラムポット、広い土地や複雑な兵器等を安全に訓練するために開発されたVRに似た訓練装置。VRは正直スペックが足りない為ARや現実の再現には向かないためホログラムができた。ホログラムの由来は物体がやられた描写がホログラムの様に崩れる様子かららしい。
「っと、これで開始だ」
訓練の設定をしポット内が閃光に包まれた。
「よし、しっかし毎度思うが凄いなこれ」
「ほんと現実みたいにやれるよね」
感触も空気も視覚も全部本物に見える。今はAR-8のコックピットの中に居る、問題なく動かせる。
『問答無用は酷くないですか?』
「いつも表に出てないからだろ、今日はポットでの訓練だから頼むぞ」
『分かりましたよ…脳波を繋げますね』
『こっちの準備は終わったよ』
「よし、機体は普通に動かせるな?」
『はい』
「まずは軽い模擬戦だ、俺に手加減はいいからな」
機体の腰からビームサーベルを抜き構え接近に備えた。正直待ちより攻めの方がやりやすいが動きに問題があるかも知れないからその確認の為受けに回る。
『わ、わかりました!』
ニコルもこちらと同じ構えをしサーベルを上からの斬りかかろうとしたが妙に躊躇いが見れた。
「これじゃねぇ…手加減は要らないって言ったろ?」
サーベルを防ぎ左腕で機体を止め、足払いをしタウンさせた。
『え、ちゃんとやったハズなんですけど…』
「無意識でやってるのか…今度はマニュアルでやって」
『了解!』
思想操縦で動かしているから考えが直に入るから機械操作なら大丈夫なはず。仕切り直し距離を取りまた受けの構えをした。
『てりゃぁぁぁ!』
「声だけ良いけど肝心の動きに迷いがあるよ…」
今度は横凪ぎだったが盾で防ぎ蹴りでダウンさせた。正直あの程度の動きはここに来てる奴ならみんな対応できる。
「躊躇いを捨てろ、臆するな!機体は格闘戦するだけの堅牢さを持っているんだ、迷うことなんてない」
『頭では分かってるけど人やそれに近いのが乗ってるとどうしても…』
「気持ちは分かるけどパイロットになるからには人やそれに準ずるものを相手にしなきゃいけないんだぞ」
『ハハッ…』
まぁニコルの専門は電子戦だから格闘戦は考えないし長めに考えるか。
「近接戦は終わり、射撃戦をするぞ」
『はい!』
切り換えは早いんだよな。
「よくやれてるがっ!」
『機体は同じのハズですよね!?』
ニコルがここまで射撃に強いなんて知らなかった…此方の射撃は危なげだが防いだり避け的確に此方に射撃をしてくるが俺はジャンプとスラスターを使用した三次元機動で避けている。
「機体のスラスターを全部使って数こなせばやれる」
『そんな機動自分には耐えられませんよ…』
確かに最初やった時は大変だったが何度もやったからなぁ…。
「ほんとこう言うのは慣れしか無いね」
機体を着地させ話すために止まった、いやあの機動しながらの会話はキツいから、特に重力下だとそれが如実にでる。
「それと、わざと手足を狙ってるだろ」
『うげっ』
「分かっててやってたのか…電子妖精はどうしてんだ」
『此方からは何度も同期を催促しているのですが本人が拒否します』
ニコルの電子妖精が答えた、こっちの電子妖精よりしっかりしてるから取り替えて欲しいよ…。
『電子戦が専門だしいいかなって…』
電子妖精との同期は異なる機体を乗り回す際の機体の操縦を円滑にするための動作で特に色んな機体に乗る訓練生には必要な行為だ。
「けどそれが原因じゃないよな」
『あ、このサーバーに入ってくる人がいます』
「え、自動許可にして―してなかった…」
『どんな人でしょう』
『アレクさんですかね?』
「あの人なら実機を使うでしょ、他にホログラムポットは余ってたしサーバーは沢山あるのになんでだ?」
『ルームリストに名前が、この人…』
「第4訓練団の優等生か、物好きだな」
『ほんとその人嫌いですよね』
「ここに入る時に散々煽られたからな、嫌いにもなるさ」
機体前方に新しく入ってきた機体が現れた、あれはこっちと同じ機体のAR-8A3か。
『戻って来てたのか、死んだかと思ったぞ天下り』
「俺は親父を越える為にここに来たんだ、親父に頼るほど軟弱じゃねぇよ」
『まぁ成り上がりのパイロットの息子が教師の真似事とはね、それほど自分に自信があるのかな?』
「疑うなら相手しようか?あ、優等生はこんなのを相手にする暇無いですか、忙しいですよねシスコン」
『そ、そこまでにしたそうが…』
『一度敗北を知った方がいいかもな』
「負けなら何度もあるから、お前こそ負けを知ったらどうだ?シャルル・コンウェイ」
『アッアッアッ…』
シャルル・コンウェイ、今期訓練生で一番の成績を持つ生徒だが少々性格に難があり他生徒との問題をよく起こしているが余程の事を起こしていないため指導が無く、教官も親が親の為厳しく言えないらしい。
『小馬鹿にするのはそこまでにしろよ、雑魚が』
「煽ってる暇あるなら相手してくれよ、ここは訓練施設だぜ?」
コンウェイが煽ってる隙に距離を詰めサーベルを降り下げた。
ニコルは女の子よ…
訓練兵団はパイロットと整備士、艦艇実習生から構成されていてパイロットが一番多い。1兵団にやく90名程でこれが1期に20兵団程ある。