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赤翼物語  作者: ヤタガラス
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惨事の後には

「えっとですね…」

そう言えば今軍の新しい機体に乗っているんだ、そら聞かれる。

『まぁソレに対しては私の管轄外だ、司令に報告しとくぞ』

「あ、はい…」

『だが無事で良かった、よくやったな』

「あ、ありがとうございます」

『後始末は俺達がやる、君たちはゆっくり休むといい』

「わかりました」

『ここの施設が駄目なので別の格納庫に行きましょう』

さっきの爆発で艦艇を止めるドックやバンカーが駄目になってしまっている。よく見ると隔壁が熱で融解して開きそうにない。

「艦艇用の出入口があったハズだしそこから出るか」

『この機体、姿勢制御用のアポジモーターがありませんよ』

「宇宙で、溺れるっ!」

『いつの時代のネタですか…』

「エドガーが見てた動画で知ったんだよね、クスッて来たから漁っていたらハマった」

『程ほどにしましょう』

「はいはい」

エドガーかエミリーにドロップシップでも呼んでもらうか。


「いやぁ、助かりましたよ」

『艦長も被害を押さえ迎撃にあたってくれてよかった』

「少なくない被害もありましたがね…」

『少ない戦力でこちらの部隊の到着まで耐えたんだ、誇りに思え』

「ありがとうございます」

『しかし…酷いもんだな』

今話しているのは救援艦隊である第7惑星軌道巡視艦隊のマッキントッシュ司令官だ。司令が言った先には発電用のソーラーパネルや格納庫、迎撃用の砲台の残骸があった。

『しばらく基地としての機能はしないだろうな』

『基地再建は結構費用が掛かるからなぁ…この基地は本星から数日は掛かるからな』

「ワープドライブで運べないのか?」

WD(ワープドライブ)は現状艦艇だけで船外にある物体までは運べないのでな、多い積載量の大型空母はWDを積んでいないからここまで来るのに時間が掛かる』

「うーん」

この基地は元々外宇宙探査に出かける艦隊の補給拠点だから防衛機能だけが壊滅状態でも使えるが、またアンノウンが来るかもしれない。

『本国からの伝達です、我が艦隊は基地の再建が終了まで在住せよとの事です』

『末端の事も考えてくれよ…』

『クレーデン少佐、貴方の艦隊は部隊の再編の為本国へ帰投だそうです』

「なにか申し訳ないですね」

『まぁこの基地は必要な所だからな、気にするな』

「了解」

軍隊も気楽には行かないな。


「そう言えばパイロットから何が来てたな」

アイツ自分の管轄外だからって何でも俺に投げるからな、少しは自分でやる努力をしろと。

「なになに、赤いARに乗った訓練生…赤いAR?」

試作機か?確かにここはアンノウンの出現報告がなかったからここで試験するのは利にかなっているが、テストパイロットはどうしたんだ。

『教導部隊からの通達です、此方で勝手に使用してしまったARの返還をそちらの艦隊に任せたい様です』

「戻るついでに配達を頼まれてしまった」

その方が無駄が無いから良いんだろう、頼まれた側はたまったもんじゃないが。


「で、勝手にアレを起動したと」

「はい」

俺は通信室が使えないため臨時で使われている格納庫のプレハブ小屋にいる。まぁ呼び出しだ。

「今回は非常事態で命の危機があったから、無しにしたいが」

「あぁ…」

「しばらく訓練以外のARの搭乗を禁止にする、これで手をうとう」

「分かりました、申し訳ありませんでした」

「いいんだよ、一応俺らは軍人だ。やったことの責任は取らないとな」

「了解です」

長かった話が終わり一息ついた。いや疲れた、自分に非があるとはあるとは言え長話は疲れる。

「後は好きにしていいぞ」

「お疲れさまでした」

退出の挨拶をし教官がおうよ、と返事をした所で部屋を出た。

「長かったなぁ!」

「いきなりかよ」

部屋を出たらエドガーに絡まれた、部屋に戻らせろ、疲れてるんだ。

「で、罰は何だったんだ?」

「しばらく訓練以外のARの操縦禁止だよ、除隊じゃなくてよかった」

「おぉ!よかったじゃねぇか」

「あ、終わったのね」

「エミリーか、あの機体はどうなったんだ?」

「うん、機体は本国に持ち帰ってそこで試験するらしいよ。戻すなら最初から持ってこなきゃ良かったのに」

「そうなんだ」

暫くはシミュレータに籠ろうかな…と考えていると。

「あ、あとあんたの電子妖精返しとくよ。軍の人が返しとけって」

「あぁ、すまないね」

あの後俺の電子妖精は軍の機密を解析して疑いがあったため記録の確認為に回収された。それが今戻ってきた。

『いやぁ、やっぱり弄られるのは慣れませんね』

「変な情報でも抜き取って無いよな?」

『ありませんよ!あの機体デルタとは全然違っていましたから操縦に関するデータしか取ってません!』

「わ、分かったよ」

「いつも通りだし大丈夫そうね」

『あ、除隊されちゃいました?』

「されてねぇから!」



「もうすぐ星に戻るのか」

「あと数日だから荷物の整理しなよ」

「エドガーは用意したのか?」

「俺は元々少ないからすぐに終わる、お前こそここでも自炊するとか言って調理器具持ってきてたろ」

「昨日のうちに全部まとめてあるよ」

あれから2週間たち宇宙での訓練が終わり本来の訓練所である開拓惑星に戻る所だ。

「2ヶ月たっけ?」

「3ヶ月な、忘れるなよ」

「2週間前のあれがあったから忘れてたよ」

「リュウジとエドガーは艦載パイロットを目指すんだっけ?」

「親父がそうだからな」

「そっちの方が楽しそうだからな」

「そんなんで志願したのか…」

艦載パイロット、大戦時数々の戦果を叩き出し戦争を勝利に導いたパイロットで単機で歩兵大隊に匹敵する化物。あらゆる地形を無視するジャンプキットを装備し全ての武器を使いこなしARの操縦に長ける猛者。艦載パイロットの由来はその戦果を出したパイロットが艦艇直属のパイロットの為。それ以前に宇宙艦艇に発着艦できるパイロットは少なく殆どがAI機である。

「あれ志願者の80%が脱落する物だよね」

宇宙(ここ)いる間に無重力の移動に慣れたし後は地上でのパルクールやジャンプキットの使用ぐらいでしょ」

「大丈夫かな」

『行けるでしょう、親がパイロットですし』

と他愛な無い話をして星に降りる準備をし始めた。


巡視艦隊の数はリベントだけで40艦隊あり1艦隊10隻、内戦艦1隻巡洋艦3隻は必ずであとは船の数によってまちまちです

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