表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロリウィッチは今日も戦う  作者: 夏目みゆ
4/8

最近の聖女は悪役が多い

「どういう事ですの!」


全裸で鼻血を流していた所を保護された、この国の聖女は憤る。

聖女の名前は、セイジョーヌと言う。

産まれながらにして、王女であり、聖女でもある。

彼女は恵まれた出生と、容姿を持ち、その穏やかで優しい雰囲気で大人や子供達に慕われてきた。

その慕った彼等は、勇者召喚の魔力を集めるための生け贄と成ったのだが。


「セイジョーヌよ、落ち着け」


彼女を嗜めるのは、この国の王であるヒゲーヌ。

召喚された勇者達は既に与えられた自室へと戻っており、王座のある部屋には国の者しかいない。


「落ち着いていられますか!!私は鼻をへし折られ、辱められたのです!直ぐにでも討伐隊を出すべきですわっ!!」


安藤達が去った後、全裸で鼻が潰れている所を保護されたセイジョーヌ。

既に治療魔法により、元の高さへと戻った鼻を押さえている。

今まで殴られた事も無く生きてきた彼女は、他人ではなく自分が害された事に対して憤っていた。


「確かに奴らは許されざる事をしたが、今は勇者共の教育が優先だ」


安藤達が脱出し、セイジョーヌが鼻血を出しながら気絶している間に、ヒゲーヌは戸惑っている安藤のクラスメイト達を宥め、自分のステータスを開く様に伝えた。

召喚された勇者には異世界を渡った事により、神によりる強力なスキルを授けられる。

ヒゲーヌは過去に召喚された勇者の子孫であり、王族である彼等は勇者の血による為か、強力なスキルを産まれながらにして持っている。

勇者達を支配するにしても、繁殖させるにしても、彼等の求める欲求をある程度叶えてやらなければならない。


そして、ヒゲーヌは既に勇者達に楔を打ち込んでいる。


ステータスとは魂の情報である。

それ故に、ステータスオープンという、祖先が生み出した呪術を用いて魂の情報を他人に曝け出せば、例え精神耐性のスキルを持っていたとしても、あっという間に支配できる。

心臓を丸出しにしているのと同じなのだ。

そして、ヒゲーヌは相手にまるで本当に自分が思っている様に徐々に思想を誘導するスキル、催眠思想スリーピングニャンニャンを用いて自分達を信用する様に思い込ませている。

後は好みの異性や薬を当てがえば、あっという間に大量の生物兵器の完成だ。


ニヤリと笑ったヒゲーヌだが、それでもセイジョーヌは逃げた勇者達を殺す様に騒ぐ。


「セイジョーヌよ。勇者達が逃げたのは、お前の力不足でもある」

「で、ですがっ!」

「フン、逃げた所で問題無い。奴等が進んだ先は魔の森。あの森は超えられないのは知っているだろう?」


40年前に召喚された勇者達は、試験的に魔の森で実力を計ろうとしたところ、謎の病が蔓延し、そこを魔物に襲われ全滅した。

異世界に来た勇者達が、耐性を持っていない病にでもかかったのだろうと城の医師達は判断した。

それ以降の勇者達は、城で様子を見てから戦力として使っているのだ。


逃げた勇者達はこの世界の病で弱り、獣にでも喰われる未来が見えている。


「……確かに、そうですわね」

「お前は勇者達のリーダーでも魅了していろ」

「はい、お父様」


セイジョーヌは、苛立ちを勇者の1人にでもぶつける事を決め部屋を後にした。



お読み頂きありがとうございます

お気付きの方は既に居ると思いますが、この作品のキャラクターの名前はとても適当です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ