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数多の世界が僕を呼ぶ。  作者: のんびり歩く
ツルンでプルンな世界
2/20

2・透明で、プニプニのアレですね!





・・・・






ハイ!ヌメッと、産まれましたよ。


間違いじゃないですよ、ヌメッもしくは、ヌルッですかね・・・もしくは、メリッ?


目の前に両親が立っておられます。

あぁ、両親の腹の辺りに見えるのは、花瓶に生けられた花ですね。綺麗ですよ・・・少し歪んで見えますけど・・・

僕の誕生を喜んでくれているのですね・・・ボヨンボヨンしてますけど・・・



なんたって両親透けてますからね。ええ、スッケスケですよ。

別の世界では、スライムなんて呼ばれていましたね。

手は収納式で、普段は身体の中に収まっています。

パッと見、思考力の無さそうな姿ですが、見た目に反してかなり優秀です。

まあ、優秀過ぎて魔王なんて者を生み出し、世界を吹っ飛ばすモノまで作っちゃったんですけどね。


ちなみに両親は今、ポコポコ ゴボゴボ言ってらっしゃいます。


《お誕生おめでとう。》


だそうです・・・

耳から聞こえるのは、ポコポコゴボゴボなのに、頭の中にはきちんと変換されたモノが届くので、なんとも不思議です。


この世界に赤ん坊は居ません。両親は自分達の核の一部を切り離し、互いの核を練り合わせ、新たな者を生み出します。その時、両親や両親のご先祖達の記憶を受け継ぐ為、産まれて直ぐに世界の常識を理解するのです。


なんて便利なんでしょう。

しかし、よく考えてください。記憶が引き継がれるんですよ。

自分の恥ずかし過ぎる、あんな事やこんな事が、丸っと子供達に受け継がれるんですよ。

死して尚、永遠と語り継がれる自分の恥!!!

耐えられません・・・・


僕の目的は、魔王の魔力を吸収する事と、世界を吹っ飛ばすアホなハイブリットを消し去る事ですから、関係ありませんけどね。


《君の名前は、ポコだよ、よろしくね。》


《私の名前は、ボボコ。こっちがコボコだ。》


えっと・・・右側で少し青っぽい方がボボコで、左の少し青っぽい方がコボコ・・・・

違いが分かりません・・・


《違いが分からないんですが。》


正直に言うと、二人はスライムボティを小刻みに揺らし・・・驚いているようです。


驚かれても良いんです。分からない事は即座に聞く!!

聞くは一瞬の恥、聞かぬは死!!です。

この世界とは違う常識に引っ張られている僕が、何も知らずに居るのは、命の危険に晒される事にもなりかねませんからね。


何度かあったんですよね・・・

自分の結婚相手に、異性が触れると、触れた相手を殺していい世界とか・・・

毎日飲んでた不味いジュースを飲み忘れると、死ぬ世界とか・・・

お日様が出ていない時に窓を開けると、魔物が入ってきて死ぬ世界とか・・・・

はい・・・色々あったんです。


さいわい二人は、優しく教えてくれましたよ。


《ポコは、少し変わっているんだね・・・》


《視点を切り替えて、オーラを感じれば良い。オーラは人それぞれ違うからな。》


そう言われて、視点を切り替えようとしますが・・・やった事が無いので分かりません!!


え?転生スパイラルの時に、この世界にも転生しただろうって??


してませんよ・・・・


この世界、神様の思い付きで最近作られた世界ですからね。

何でも、『半透明のあのボティーが揺れるのを見たい!!』と言う、何とも、どーでもいい理由で作られた世界なんです。

もちろん、僕と神様にとっての最近なので、世界の人達にとっては、長い歴史を持つ世界ですよ。


僕がウーウー唸っていると

ボボコさん?あれ?コボコさん???

どっちがどっちかよく分かりませんが・・・多分ボボコさんが、近寄って来ましたよ。


《ポコ、お前記憶はどうした?》


記憶?ああ、そういえば先人達の知恵ならぬ、先人達の恥ずかしい過去もとい、先人達の記憶があるんでした。


これ見るの勇気がいるんですよ、何たって他人のプライベートを勝手に覗き見てるんですから。

ちなみに、僕以外のスライムさん達は、気にせず勝手に見放題ですよ。

産まれて直ぐに成人となるこの世界では、先人達の記憶が頼りですからね。

たとえ、馬鹿な先人達でも・・・・







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