1・今度は勝手に転生してきます。
『僕に合う世界を紹介して下さい』の続編ですよ。のんびり更新予定です。
・・・多分。
今晩は、こんにちは、おはようございます。
何度も転生を繰り返し、神様の弟子となった僕です。
あれから、神様と共に数多の世界を見守っていました。
そんな毎日の中、ふと思ったんです。転生スパイラルが始まる前、神様に会う前の人生はどうだったのかと。
記憶は無いですが、そこそこ幸せな一生だった感じがしているのです。なんというか、人生の満足感のような?
で、神様に言いましたよ。「記憶を戻せないんですか?」って
そしたら神様プイッって・・・
「ヤダ」
って一言・・・
「ヤダって何ですか? 無理では無くヤダって事は、できるんですよね?」
「・・・・ヤダ」
頬を膨らませて、不貞腐れたアピールとか要らないんですよ。
可愛くないので、全力で止めていただきたい!
「理由を言ってくれますか?」
「嫌なものは、嫌なの!」
何ですか。何なんですか!!何処の駄々っ子なんですか!!
神様なんですから、長い時を生きているはずですよね。良い大人なんて、とうに過ぎてますよね。
理由くらい言いましょうよ・・・
と突っ込む前に、全力で逃げられましたよ。弟子である僕が追い付けるはずなんてありません。
一人残された僕は、どうすれば良いんでしょうね?
僕一人で世界の管理ができると思っているんですかね?
数多の世界を放っておくと、アホな事を始める世界が出始めてしまいます。
あ~あぁ~
早速アホな事を始めた世界がありますね。
世界最大の発見とか言ってますけど、それを本当に使ったら・・・
その世界の半分吹っ飛びますよ!!!
化学が発展すれば、化学で世界を吹っ飛ばし、魔法を発展させれば、魔法で世界を吹っ飛ばす。
人間は、最終的に吹っ飛ばすのが好きなんですかねぇ・・・本当もう・・・
吹っ飛ばされると、後処理が面倒なんですよ。
誰が後処理すると思ってるんですか!!!
僕ですよ!
神様?
やりませんよ!
『何事も、掃除からだよ。』
って、もっともらしい事を言って全部押し付けてきますね。しかも、こんな時だけ真顔ですよ。
掃除って、掃除って・・・規模が大きすぎませんか!
まあ、吹っ飛ばす前に気付ければ、神様がなんとかしてくれるんですけどね。“たまに”ですが・・・
でも居ないと、その“たまに”すら出来ませんよ・・・・役立たず!!
ちなみに、僕は数多の世界で、一番発展している生物を人間と呼んでいます。世界ごとに名前を変えていたら面倒なんで。
で、今 世界の半分を吹っ飛ばそうとしている人間さん達ですが、元々あった魔法に、ロウ術という、新しいモノを生み出して、魔法とロウ術のハイブリッドを作ってしまいました。
このロウ術の困った所は、ご本人達が、その原理を全く理解していない所なんですよね・・・
術なんて言ってますけど、僕から見たら強奪ですよ!
ええ、他の世界から生命力を奪って発動させる術ですからね。
ロウ術・・・なんて面倒なモノを生み出してくれたんでしょうね。
このまま発動させたら、自分達の世界どころか、他の世界まで巻き添えですよ!
まあ、この世界の人達も、原理は分かっていませんが、凄く強力なモノだとは、分かっているらしく、まだ使う事をためらっています。ですが、それも時間の問題でしょう。
この世界には、魔王が居ますからね・・・
この世界の人達の一番アホな所は、一人の人間が持てる魔力の限界を知りたいとか言って、一人に魔力を集中させた事ですよ。
そんな事したら・・・・ハイ!魔王の完成です。
一人だけ馬鹿みたい強くなったら、どんな聖人君主でも欲に勝てなくなりますよ。
好きな事し放題ですし、力の差があり過ぎて、他の人達が束になった所で敵いませんからね。
ちなみに、魔王は、魔族の王という意味ではありませんよ。魔法の王で魔王です。
ともかく、自分達で作った魔王に支配され、反発し、対抗手段を欲して生み出したのが、世界の半分を吹っ飛ばす魔法とロウ術のハイブリットです。
はい、さすがの魔王も一発で吹っ飛ぶでしょうね!
ですが、同時に世界も半分吹っ飛びます・・・
そして、周りの世界も巻き添えを食らって大打撃ですね・・・
まったく、どうしましょうか・・・
今の僕は、神の力を一人では扱えません。
細かな調節が苦手なんですよ。ONとOFFしか使えないんです。
役立たずです・・・神様の事を言えないですね・・
何時もは、神様が調節してくれるんですけど、行方不明ですし、いつ帰ってくるのやら・・・
となると、行きますか!!
幸い他の世界は、安定しているようですから、大丈夫でしょう。
神様!
僕!
勝手に転生してきます!!!!