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第三話 ぼっちの青春

学園系で、高校生が生徒会長目指して頑張る話……というお題で書きました。


一応学校が舞台なので、学園系と呼んでもいいですよね? あ、駄目ですか。すみません。

 僕はいつも一人の、友達のいない『ぼっち』のくせに生徒会長になりたかった。


 身の程知らずもいいところだ。


 でも、高校も今年で卒業。イチかバチか挑戦してみようと思った。もしかしたら奇跡が起こるかもしれない。


 とはいえ、3年には人気者の田中君がいる。いま学年全体が、彼を生徒会長にしようと盛り上がっていて、このままだと彼が次の生徒会長になるのは、ほぼ確実な状況だった。


 ぼっちの僕が立候補をした後、みんなに笑われているのを知った。僕は早くも後悔していた。何でこんな馬鹿な事やっちゃったんだろう。


 結局、何の対策も打てないまま迎えた、生徒会員選挙当日。立候補者は全員体育館で演説を行う事になった。


 僕は緊張で全然上手く喋れず、体育館に笑いが起こる始末だった。対して田中君はさすがというか……見事な演説で結果はもう決まったようなものだった。


 演説が終わり、後ろの席に座ってる時も、恥ずかしさのあまり汗が止まらなかった。周りは変な奴だと思っただろう。


 僕はここから逃げ出したかった。とんだ恥さらしだった……。笑い者になっただけだった。イチかバチか奇跡が起こるだって? 馬鹿な自分を呪いたかった。穴があったら入りたかった。




 そして後日、選挙の結果が発表された。

 ――しかし、そこで驚くべき事が起こった。



 もちろん、結果は火を見るより明らかで、生徒会長には田中君が選出された……のだが、何と僕にも票がはいっていたのだ!!



 その数5票。当然選挙には惨敗なわけだし、誰かが気まぐれで入れただけの票かもしれない。



 でも僕にはそれが、涙が出るほど嬉しい事だった。



 誰が投票してくれたのだろうか。――きっと気まぐれだろうな。でももしかしたら僕の演説に共感してくれた人もいるかもしれない。




 ――あれから月日が流れ僕も社会人になった。時々今でも、あの時の事を思い出す事があるけど、胸が熱くなる。



 ――とんだ恥さらしだったけど……やってよかったなって。

読んで頂きありがとうございます!

三件も感想を頂き、感無量です!

この連載を始めた甲斐がありました!

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