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第八十九話《ボイルの本気》

ネビューはボイルに一応ユーラインの状態を見てもらっていた。


「…どうだ?」


「う~ん、この魔法は知っているが解除の方法は知らないな…」


ボイルは申し訳なさそうにそう言った。


「…それじゃあこれからどうするんだよ」


「取りあえずこの魔法を解除できる方法を知っている人物を手当たり次第当たるしかない」


「結構いるのか?」


「結構も何もこの魔法は手術などの痛みを伴う医療行為をするときに使用する魔法だ。正規の医者なら誰でも知っている」


「成程ね…」


それなら親父も解除できるようになっとけとネビューは思った。


「よし、ここから早く移動するぞ。ネビュー、ユーライン様を細心の注意を払って抱えろよ」


「はいはい」


ネビューは面倒くさそうにユーラインを抱えた。そしてボイルが老人を逮捕しようと近づくと老人が起き上がった。


「ハァ…ハァ…」


「じじい!」


起き上がった老人の顔は血と顔のしわでグチャグチャになっていた。


「これはひどい…」


思わず本音が出たボイルだった。


「私をここまで虚仮にするとは…許さんぞ貴様ぁ!」


憤怒する老人、明らかに正気を失っていた。


「…しょうがない。また気絶させるか」


ネビューは軽く考えてユーラインを降ろしてまた老人と戦おうとした。それを見たボイルは危険だと直感した。ネビューは勝った相手だからまた楽勝で勝てると思っている。これは下手をすれば死ぬ戦いなのだ。


「いや…ここは私がやる。ネビューはユーライン様を守れ」


ボイルは一歩前に出てネビューを下がらせようした。


「おい!ここは俺に…」


「いいから下がれ」


ネビューは粋がって前に出ようとした。しかしいつものボイルとは違い、強烈な威厳を放った。


「お、おう…」


ネビューは見たことのない父親の姿を見て後ろに下がった。


すると老人は不気味な笑みを浮かべた。


「ほほう…ボイルか。貴様はいつも目の上のタンコブだな」


「何とでも言うがいいです」


ボイルは怒っていた。その理由がネビューには良く分からなかった。そして親父が老人の目の上のタンコブとはどういうことかも。


「まぁそれも終わりだ!この事件の首謀者をお前にしてやる!そして今度こそ私がこの国を支配するのだ!」


「もういいです。あなたはここで、逮捕します!」


「やれるものならやってみるがいい!」


老人とボイルの戦いが始まった。老人は両手を天にかざして巨大な炎の球体を作り出した。もしこれが直撃すればボイルはおろか傍にいるネビューとユーラインすら吹き飛びそうな大きさだった。


「ハハハハハハ!一撃で終わらせてやる!」


老人が勝利を確信していると、老人の周りに小さな光の玉が散りばめられていった。ボイルは手を広げ老人に向けてかざしている。


「ん?なんだこれは…」


「『光爆連鎖』」


ボイルが手を握ると同時に光の玉たちが一斉に爆発した。


「ぎ、ぎゃああああああああああああ!?」


その爆発に巻き込まれ、老人は吹き飛んだ。ネビューは体を張ってユーラインを爆風から守りながらこうつぶやいた。


「…おいおいマジか。親父、もしかしたらシンと同じくらい強いんじゃないか…?」






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