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第八十一話《嫌味》








なぜシャルドネの惚れている相手がシンだと確信できるのか。それはシンが整理したシャルドネがこれまで過ごしてきた学園生活を考えれば直ぐに分かる。


シャルドネはシンと烈火祭で闘うまで勝ったら恋人になるという決闘を繰り返し行い、ずっと勝利してきた。好きな人がそれまでにいたら勝者の恋人になるなんて絶対に言わないだろう。このことからシャルドネはシンと出会う前に好きな人がいないという結論に至る。


続いてシンがシャルドネに行ったことは決闘で勝利したことと、ルナとジャスリーとの関係を修復するきっかけを作ったことだ。今まで自分よりも強い男に会った事のないシャルドネが自分に勝ったシンに興味を持つことは明確である。そしてルナ、ジャスリーという親友との関係を改善できたのもシンのおかげだとシャルドネが思っていればシャルドネはシンに対してそれなりにいい印象を持つに違いない。よってシャルドネはシンに好印象を持っているという事になる。


後は長期休業中、シャルドネに好きな男が出来る可能性についてだがそれは限りなく零に近いだろう。シンは決闘をしているから良く分かる、シャルドネは強い。そんなシャルドネに勝てる相手が道場にいるならそいつは立派に師範代を継いでいる、というより先程からそれが話題にならないとおかしい。よってシャルドネが負けた可能性はない。一目ぼれの可能性も零に近いだろう。おそらくシャルドネは長期休業中道場でずっと修行してたに違いない。一目ぼれをしたのならば道場の弟子たちの中にいる。しかし弟子たちの中の一人に一目ぼれするならとっくに一目ぼれをしているだろう。


全ての話を整理した結果、シンの予測では間違いなくシャルドネの好きな人はシンという事になるのだ。ちなみにセリルはそのシンの微かな感情の動きで察知した。


「告白…ですか」


「そうなの!告白ってどうやってしたらいいと思う?」


シャルドネはどんな答えが返ってくるのか興味津々でシンを見つめている。だがこの質問にあまり答えたくない。恐らくその通りに実行してくるだろうからだ。返答に困るシンのところに救世主が舞い降りた。


「シャルドネ!早く来ないと飯抜きにするよ!」


おそらくシャルドネの母親の声だろう。廊下の奥にある部屋の襖越しに聞こえたその声にシャルドネは過敏に反応した。


「やばいそれは勘弁!ココロちゃん!この話はまた後でね!」


シャルドネはまた大急ぎで一直線に部屋へと向かった。それを見てホッとするシンの隣でセリルはジト目でシンを見ていた。


「本当、なんでそんなにモテるんですかねぇ…」


シンにはもう嫌味にしか聞こえなかった。










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