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第百三十三話《悪知恵》
「で、何を話し合いたいの?」
たわいのない会話を少しした後、二人の会話は本題に入った。
「…この世界の裏で犯罪を巻き起こす奴の事だ」
シンはこれまでのことをすべて話した。
「何かシンの敵って感じの奴だね。ま、私も調べてたけど」
でなければ白い男がこっちに来たりしない、とシンは思った。さらに先程首謀者話していた時に何も怪しいところがなかったため美羽があっち側の人間である可能性も薄れた。
「それで俺達が協力し合って奴を倒そうってことだ。どうだ?」
「勿論、いい…」
美羽は即答で了承しかけたが思いとどまった。
「どうした?」
「いや~別に協力してあげてもいいけどさ~私はただの一般市民なわけだし~そんな危険なことはあまりしたくないな~」
あ、これは悪知恵が働いてるなとシンは直感した。
「今日の午後からデートしてくれれば協力するのもやぶさかじゃないかな~?」
「…おい」
この時、シンの顔は怒りで引きつっていた。