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第百三十二話《美羽》




「着いたぞ」


「…」


白い男に連れてこられて辺りを見渡すこともなく転生者は直ぐに見つけられた。なぜ直ぐに分かったのか、そんなの簡単である。なぜなら知っている顔(・・・・・・)だったからだ。しかも前の世界の知り合いだ。それに似ているならつゆ知らず全く持って同じだったのだ。顔も髪の色も体型も、そしてその笑顔も。


「久しぶりだね、心」


シンではなく心、そう呼ばれた気がした。


「そう…だな、美羽」


思わず演技を忘れるシンの目の前にいるその女性は栗原美羽、転生前の幼馴染だ。


「この世界ではミーシャって名前だけどね」


ミーシャ、この名前を聞いて心の中で動揺するシン。だが見失ったなどの連絡がないので同一人物ではないと考えて動揺を隠そうとするシンだった。


「座って、色々と話したいこともあるし…ふふっ」


「笑いたいなら笑えばいい…」


ミーシャは明らかにシンの女装を見て笑いをこらえていた。


「ごめん、本当に似合ってるよ…ふふふっ」


「着替えたいが元のままでいると色々と面倒なんだ…」


シンはこの学園では有名人である。それに加えて男装に目覚めた元王族で今は義理の妹のセリン、自分がけしかけてしまったのだが自分に告白する気満々のシャルドネとルナ、今は見張らせているがもう一人のミーシャ、そしてそのミーシャを狙う集団に顔が割れている。シンのままだと不都合どころの騒ぎじゃない。


「それで心、何から話そうか」


「その前にこの姿の時はココロって呼んでくれ」


「ひねりの何もない名前だね」


「五月蠅い」


シンはこんな気の許せる会話を久しぶりにしたなと感慨深くなった。






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