第百三十一話《監視》
エリスとネビューは両親と遊びに来ていたミーシャを捕捉、遠くから見つからないように監視を始めた。
「よく襲われたのにここに来られるよなぁ…」
「精神的に強いのかそれとも慣れているのか…それともまたシンに助けてもらえるとでも思ってるんじゃないか?ただ楽観してるだけというのもあり得るが」
「ま、シンが重要と判断して俺達を監視につけたんだ。もしかしたらまた凄い事案なのかもな」
「そうだな…」
エリスはある一つの可能性を考えていた。もしかしたらミーシャが転生者という可能性だ。転生者なら希少で強力な魔法を使えるはずだ。それなら狙われている理由も説明がつくし誘拐されても最終的に自身の魔法で誘拐犯たちを一網打尽にできる自信があるなら今のように誘拐犯を楽観視していることも説明がつく。結論からミーシャが転生者なら今の彼女の状況にすべて説明が付くのだ。
シンがエリスとネビューを監視につけたのも彼女の安全を守ることともう一つ、ミーシャがこれから会う転生者であるかどうかの確認という目的もあるのだろう。
「…取りあえず様子見だな」
エリスはミーシャから一秒たりとも目を離さずに監視を続けた。