120/144
第百十九話《盛況》
お化け屋敷は大盛況だった。
気絶する人が数多くいたがそれでも大盛況だった。
しかしこの時間だけはさっきまでとは比ではないほど、外まで行列ができるほどに盛況していたのだ。
「なぁ、なんでこんなに並んでんだ?」
「お前知らないのか?あのユーライン様が受付をしてるんだぞ」
「ゆ、ユーライン様が!?」
なぜならこの時間帯はユーラインが受付をしているからだ。おかげで大盛況となったお化け屋敷は聖火祭始まって以来の利益を上げることになる。
「まさかここまで人が来るとは…宣伝した甲斐がありましたね」
「やっぱりあなたが原因ですか!せっかくこうなることを避けるために誰にも接客時間を言わないでこっそり入れ替わろうと模索していましたのに…」
リンがボソッと呟くとユーラインの不満が爆発した。
「ふふふ…そうはさせませんよ、ユーライン様がいるこの時が稼ぎ時なんですから」
「あなた、腹黒いですわね」
「さ、そんなこと言わずに頑張りましょうユーライン様!」
リンをあとで懲らしめようと誓うユーラインだった。