第百十五話《大食い》
エリスとネビューが白い男の捕獲に成功したその時シンは未だにミーシャの親を探していた。
「…おなかすいた」
シンが肩車しているミーシャがお腹に手を当てた。
「あ、もうこんな時間か」
シンはクラスの出し物に外で屋台を選んだクラスのために外に置かれた机と椅子に座った。
「しかし見つからないな」
「うん…」
「よし、取りあえず何か食うか。好きなだけ食うといい」
シンはそう言ったことを後悔した。
「お、お待たせしました…」
学生が両手いっぱいの食べ物を持ってきた。しかしシンとミーシャの机にはもう置く場所のないほどの食べ物で埋め尽くされていた。取りあえず学生はシンに食べ物を渡そうとしたがシンは首を横に振った。
「あ、俺じゃなくて…」
ミーシャがその食べ物に手を伸ばしていた。
「え!?だ、大丈夫なの?」
「うん、いただきます」
学生はおそるおそるミーシャに食べ物を渡した。するとミーシャがおもむろに食べ物を食べ始めた。
「…大食いだな」
ミーシャ買った食べ物のせいでシンの貯めていたお金が殆ど消えた。絶対両親にお金を返してもらおうと誓うシンだった。
「で、ミーシャの両親ってどんな人なんだ?」
するとミーシャは食べるのを止めて塞ぎ込みながら答えた。
「…普通の人だよ」
「…普通か」
ミーシャには何やらありそうな感じがした。