第百十三話《勃発》
「さて、どう戦うか、ってうおっ!?」
ネビューが戦闘態勢に入ろうとしたらエリスがネビューの服の襟を掴んでその場から飛んだ。
「おい!逃げるのか!あいつ滅茶苦茶速いんだぞ!逃げるより立ち向かった方が」
「場所を変えるだけだ、この学園で戦うなとシンに言われてるんだ」
「でもどこで戦うんだ?」
「近くに山がある、そこならいいだろう」
「山って…近くにそんなものないぞ!」
ネビューの言う通り学園の近くに山なんてない、だがエリスの飛行速度は通常のそれとは違う、本当に直ぐ山に着いてしまった。
「ここならいいだろ」
「お前…シンぐらい強いな」
ネビューはただただエリスの飛行速度に驚くしかなかった。
「で、あいつは付いてきてるの」
「遅いな」
「!?」
「本当に速いな」
白い男はなんと二人の背後にいた。
「で、どうするんだ?」
「シンから一応こいつの攻略法を教わったから大丈夫だ」
ネビュー&エリスVS白い男が勃発する中、シンは先程出会った少女の保護者を探すのに奔走していた。
「この子の親御さんはいらっしゃいませんか~」
シンは少女が親を探しやすいよう、また親が少女を見つけられやすいよう少女を肩車して周囲を歩いていた。
「そういえば君の名前は?名前を教えてくれれば探しやすいんだが…」
「み、ミーシャ…」
少女は恥ずかしそうに答えた。
「ミーシャか、良い名前だね。よし、ミーシャちゃんの親御さんはいませんか~」
シンはそのままミーシャを肩車しながら人ごみの中でミーシャの保護者を探すのを再開した。
「はぁ…はぁ…」
「おいおいシンの奴こんな奴に圧勝したのかよ…」
「弱いな、お前ら」
ネビューとエリスが白い男に大苦戦してるとも知らずに。