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第百三話《同類》







「それで、ここはこうしたいんだが…」


「大丈夫、素材さえあれば作れる」


「よし、次は…」


シンとエリスは二人だけでお化け屋敷の見取り図、仕掛けを決めていった。そのため他のクラスメイトは暇なので別のことをし始めた。


「…俺たちいらないんじゃないか?」


「完全に二人だけでやってますわね…」


「まぁ、あの天才たちに任せておけばいいんじゃないか?俺達が考えてもあいつらの考えに敵うものなんて思いつかないからな」


「…それもそうだな」


実際クラスの全員はシンの類稀なる頭脳には敵わないと誰もが思っている。そんな天才と同レベルの天才が現れて意気投合し協議しているところなんかに自分たちの立ち入る隙などないことを悟っているのだ。そしてクラスメイト達はこっそりと部活動の手伝いなど自分たちの用事のためクラスを去っていった。最終的に残ったのは用事のないネビューと立ち去るとどうにも自分が逃げたように感じてしまい意地で残ったユーラインだけだった。


「…私たちでも物の調達ぐらいは出来ますわよね」


ユーラインは二人の手助けをするため提案した。


「だな。おーい、現時点で必要な物とか買ってきて欲しい物とかあるか?」


「おう、ちょっと待ってろ」


シンはメモ用紙を数枚取り出し必要な物をペンで書いてネビューに渡した。


「取りあえず使うことが確定している分だけだ。よろしく頼むぞ」


「おう…」


ネビューとユーラインは取りあえず教室を出て、メモに書かれていた購入物のリストを見て一体二人何をするつもりなんだろうと予想を立てようとした。しかし半数は用途が分からない物ばかりで頭を抱えるユーラインと購入物の半数が何か分からず頭を抱えるネビューだった。


「しかしこんなことがクラス単位で出来てしまうなんて…シェント学園は凄いんだな」


二人で案を出し合っていたらふとエリスがこの学園に感心した。


「費用は全部生徒負担だがな。まぁ失敗しても親が金を立て替えてくれるだろうし」


「そうなのか…」


生徒負担と言ってはいるがたいていの生徒は親から金を受け取るのである。失敗しても大人になってから失敗しないための投資だと親はこの聖火祭のシステムに寛容である。


「トゥール王国も凄いな。まさかここまで技術が進んでいるとは思わなかった」


次にシンはトゥール王国の技術を褒めた。するとエリスが訂正した。


「あ、いや、これは私が独学で学んだことなんだ。確かにトゥール王国は進んでいるがここまでの技術を持ってるのは私くらいだ」


「それもそうだな、これは…」


シンは一呼吸を置いた。そして両手をフリーにし戦闘態勢に一瞬で入れるようにしこう言った。


「?」


「別の世界で学んだとしか思えないな」


「!?」


エリスはシンの言葉を聞いた瞬間先程まで座っていた椅子が倒れるほど勢い良く立ち上がりシンから距離をとった。


「やっぱりな…お前は少し正直すぎる」


シンもゆっくりと立ち上がり戦闘態勢に入った。そして確信した、エリスも自分と同類、転生者であると。そして白い男の背後にいた転生者ではないと。もし白い男が配下なら自分のこと知ってないとおかしい。となると首謀者の可能性が高い。


「まさか、鎌をかけたのか!?」


エリスは吠えるようにシンに質問した。


「ああ、その通りだ。普通の人間ならそんなものはないと笑いながら否定するかそうかもしれないと冗談交じりに肯定するかだ。ま、この進みすぎた技術を見れば誰だって気づく」


エリスはいつでも魔法を出せるよう準備をし、シンもエリスの魔法を防御し反撃する用意をし始めた。


「…私を殺せるとでも思ってるのか?」


「今からする質問の答えによって変わる」


シンは回りくどい言い方はせずエリスに質問をした。


「お前はこの世界を混乱に貶める首謀者か?」









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