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第九十九話《予想》




色々とあった、というか最初にいろいろとありすぎた長期休暇はすぐに終わった。


「じゃあ行ってきます」


「じゃあね~シンちゃ~ん」


「頑張ってくださいね~」


シンがシェント学園へ行くのを父親は無口で手を振りながら見送り、母親とセリルも笑顔で手を振って見送った。


あれだけこの前は遠まわしに行かないでと言っていた母親がセリルのおかげてあっさりと変わるとは思ってなかったシンだった。シンも笑顔で手を振り家を後にした。だがシンは知らない。裏で母親がセリルに何をしているのかを…。


そんなことを知らないシンは山を下りた後すぐに駅でシェント学園行の魔車に乗り、何事もなくシェント学園に到着した。


そして寮の自室に入り荷物の整理をした。この前入学してきたころと比べて荷物が増えた。そのほとんどが実験材料だ。自身の転生特典を調べるのは予想以上に時間が足りず長期休暇中に終わらなかったためここでもやる気だからだ。まぁ誰にも気づかれないよう深夜に寮を飛び出して誰もいなさそうな山奥に移動して実験するのだが。


荷物の整理も終わりベッドに寝っころがるシン、考えることはいつも転生者のことばかりだった。


「…」


一体何が目的で犯罪を犯すのか、行動理念はなんなのか、そいつの経歴は、生い立ちは、考えても不透明な犯人像のせいで考えがまとまらない。今までの事件がまるで子供のいたずらに思えてくるようだった。まぁその犯罪全てがその首謀者が糸を引いて行わせたものなのだが。


「そんなこと考えても仕方ないか…」


セリルの事件で白い男の上にいる転生者と思しき、いや転生者が訪れてくる気配は一向にない。


「いや、普通に考えられるやつなら人でまみれるこの祭りに乗じて会いに来るだろうな…」


シンはスケジュール表を見た。その目に映っていた文字は『聖火祭』。シェント学園の文化祭である。この行事はリアス聖国はおろか全世界の人々がやってくる国家でも類を見ない祭りなのだ。これも国家の政策で自分たちのエリートを相手に見せることで自分たちの力を誇示させる目的で始まったのだ。これのせいで優秀な生徒の情報が完全に漏れて四国魔法決闘では全てが筒抜けとなって悪い結果へとつながっていることには誰も気づいてはいない。


シンはここに転生者は来ると予想した。しかし事態はシンの予想のはるか上を行き、物語は光速の速さのごとく突き進むことになる。







さあ、祭りの始まりだ。











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