1 人生とは
私は、人生とは何なのか分からない。
皆は、有名な魔法使いになりたい、人の役に立ちたいと思うようになり、その為に勉学や技術を磨き、理想の自分に近づきたいと思うだろう。
何故皆は、やりたい事もしたい事もあるのか。
何故皆は、夢も希望もあるのか。
私には分からない。
だって、私は魔法も使えない『役立たず』なのだから。
「この役立たず!」
大きな罵声を浴び、何度も木の棒で振り続ける。
少女ユリアナは、其れを抵抗せずまるで人形みたいに横たわり、何度も暴力に受け続けた。
(痛い、苦しい。何でなのお父さん。昔のお父さんはどこに行っちゃったの)
少女ユリアナがまだ7歳の頃であった。
当時のユリアナは、生まれた時から魔法は使えなかった。いつもユリアナは、子供たちに酷く虐められ、大人たちも皆軽蔑していたのだ。
ただ唯一優しく接してくれたのが、父と母だった。
父と母は、軽蔑することなく、私を優しく誇りに思っていた。
「貴方は私の誇りよ」
「お前は俺の誇りだ」
私はその一言で心を救われていた。
私は魔法は使えないけど、いつかお父さんとお母さんみたいに、優しい人になりたい。
でも、そんな悲劇がユリアナ達に大きな変化が起こった。
「ねえねえお母さん」
ぴょんぴょんと跳び続ける。
「うーん、なーに愛しい愛しいユリアナ」
包丁をまな板に置き、腰を落とし、ユリアナの方へ向いた。
「私、何かお手伝いする!」
喜色満面な笑顔で手をいっぱいに広げた。
「そっかそっか。ユリアナは優しいなぁ」
ユリアナを優しく頭を撫で、「じゃお皿を用意してくれる?」と優しく問いかけた。
ユリアナは「はーい」元気いっぱいで下の棚をお皿やスプーンなどを取り出し机の上に並べた。
母は、笑顔でユリアナを見守り、ふと窓の外を見て、小さく呟いた。
「お父さん今日は遅いわねぇ」
と心配な顔をしていた。
いつも父は、森へ行き、ユリアナ達のために、食料を集めていた。
ここの村は小さな村でもあったが、食料が盛んである。その理由は近くに森があり、その中には、山菜、キノコ、魚、鹿の肉などといった食料が豊富である
そんなでも、父は夕暮れになる前に、笑顔で家に帰り、ユリアナは、笑顔いっぱいで父を出迎えていた。
確かに、今日は父の帰りが遅く、ユリアナも強く心配をしていた。
その時の瞬間、家のドアを強く蹴飛ばし、血を付いた体に、ナイフの男が入ってきた。
母は咄嗟にユリアナの前に立ち、詠唱しようとしていたその時、男は躊躇なく、母の方へ襲い、口を塞ぎナイフで母の胸を刺した。
母は倒れ、ユリアナは泣きながら何度も母を呼び体を揺らした。
「お母さん!お母さん!」
母の体が出血量が多くなってゆき、呼吸も段々浅くなっていった。
「強く・・・生きるのよ・・・」
とユリアナの頬を優しく当て、母は力尽きた。
「あ・・・ああ・・・お母さん嫌だよ・・・お母さん...死なないで・・・」
目を見開いて、首をゆっくりと振った。
「いや・・・いや・・・いやー!」
ユリアナは泣きながら母の体を強く抱き締め深く俯いた。
男は、ゆっくりとユリアナの方へ行き、ナイフを大きく振った次の瞬間、火の玉が男の方へ放ち、男は呻きながら抵抗した。そして、男は燃え尽きたかその場で倒れた。
ユリアナは、ゆっくりと顔を上げ男の方へ向いた。
その時、聞いた事のある声がした。
「ユリアナ!」
そして、家の中へ入ってきたのは、父だった。
父は泣きそうになりユリアナに抱きついだ。ユリアナは、何が何だか分からなくなったのだ。今分かるのは、父の匂いと強く抱き締めていることであった。
ユリアナはその匂いに安心があったが、自然と泣き喚いていたのだ。
父の表情は、目を閉じ唇を強く噛んでいた。
そしてその数分後に父はユリアナの方へ向きある言葉を言った。
「お前は・・・」
ユリアナは不安そうになっていたが、その後決心した表情で「うん、分かった」と強く言った。
目を開けると、目の前に天井になっていて外では鳥の鳴き声がした。
ユリアナは体を起こし辺りを見渡した。そこには父が横で寝ていた。
(私、いつの間にか寝てたんだ)
ユリアナは寝ぼけた顔で片目に手を当て寂しい表情をした。
(何だか、懐かしい夢を見たような気がする・・・でも何だっけ・・・)
とため息をし、チラッと窓の外を見た。
外はもう明るくなって、窓の光に差し込む太陽の光がとても温かった。その時、お腹の音が小さく鳴った。
ユリアナはお腹を抑えて
(お腹・・・すいた・・・何で今日はお腹がすくのだろう・・・)
いつもは父は、食べ物を分け与えてくれずずっと角で父の食べている姿をずっと見て、お腹を満たしていた。
その後もお腹の音は鳴り続き、強くお腹を抑えてもずっとなり続けていたので、ユリアナは諦めたか父が起きているか様子を見て、こっそりと家を出た。
ユリアナは、食料を、探しにどこに行こうか迷っていた。
(何処に行こうかな・・・やっぱり近くにある食べれそうなところに行った方がお腹を満たせた方がいいよね)
と辺りを見渡した。辺りには、家がボロボロになっており、ほとんど餓死になっていて人もいれば血まみれになっている人もおり、ハエがたかって、生きている
人はもうほとんどいなかった。生きているのは、何故か父とユリアナの2人しかいなかった。
ユリアナはこの光景に慣れているか、平然と家に入ったり、家の周りや近くにある食べれそうな雑草も探したが、どこも食べれないものばかりだった。
ユリアナは、大きな溜息をした。
(はぁ・・・何処もかしこも食べれそうなものないな・・・仕方ない森へ行くしかないな)
と不安そうな顔で奥に森を見ていた。
最初から何故森へ行かなかったのか其れは、森に行く距離が少し遠いからだ。魔法を使えば、数分で森へ入れるが、ただユリアナにとっては魔法が使えない且つ飛ぶこともできないため徒歩で行くしかない。
でも魔法が使えないユリアナは、一体何分で着くのか分からなかったのだ。だから少しお腹がすいたら、近くに食べれそうなところを探してお腹を満たしていたのだった。
ユリアナは仕方なく森へ行ってみることにした。
そして、数分後ようやくユリアナは、森へ着き少し息切れをし、その場で腰を下ろした。
「はぁはぁ・・・やっと・・・着いた・・・久々に歩いたから少し疲れた・・・少し休憩してから行こう・・・」
ある程度体力をつけ、ユリアナは立ち上がり食料探しに行った。
ユリアナは、近くにある食べれそうな草やキノコを探していたが、食べれないものばかりであってユリアナはすごくガッカリした。
「こんなに探しているのに、見つかんないなんて・・・お父さんたちってやっぱりすごいんだね」
と頭を抱えていた。
「仕方ない、もっと奥に行くしかないな」
でも、もう道が険しくなってゆき、苦戦した顔で進んだ。
が、森へ出た瞬間とても大きな大樹が目の前に生い茂っていた。周りにはリスが木の穴に出入りしたり、鹿や熊などもいた。
ユリアナは、目を奪われるほど驚いた。
「すごい・・・大きな木こんなの見た事ない・・・」
目を輝かせ見つめた。
その時、誰かの声がした。




