表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/88

第81話

今回の交流会の1日目、開幕!

 セフィアスタジアム

 遂に迎えたこの時、交流会の開催式が開かれていた。


「さぁ、今年もやって参りました、学園交流会!本日から3日間に及ぶ12種類の競技で競う事になります!今年もこの熱狂の中で多くの選手達が争っていきます!これより、戦いの火蓋が切って落とされます!」


 この実況の声に、観客席からも大きな歓声が上がっていく。

 そんな中、アルテミシア側のVIP観覧席の方でも動きがあった。


「お姉様~!皆さ~ん!頑張って下さ~い!」


「…それでは、俺達は行って参ります」


「あぁ。ユフィなら俺が傍に付いておく」


 そう言ってアルフォードが部屋を出ると、アラタとシェーラ、シャーリーと合流する。


「それじゃあ、俺達も手分けして、会場周辺を回って行くぞ」


「勿論!エミリアちゃん達の晴れ舞台、台無しにさせる訳にはいかないもん!」


「うふふ。この舞台に水を差す不埒もの共を捕らえてやりましょう」


「あぁ」


「では、行動開始!」


 そう言って各々別れて、会場の警備に当たる事となった。




 何処かの建物の中の薄暗い部屋。

 その中央の円卓に交流会の様子が映し出されており、円卓を囲う者達は、その映像をひっそりと眺めていた。


「さてさて、今回勝つのはフィルビアか、ブレジアンか…」


「アルテミシアに勝って欲しくないのは事実ですなぁ。奴らは去年、少々目立ち過ぎた」


「ですので、我々が根回ししておく必要がある」


「えぇ。今回、この大会の裏で行われているギャンブル。アルテミシアはオッズが一番低い」


「だからこそ、かの国にすんなり負けて貰う様、色々計略を張り巡らせて貰った」


「現在、オッズが高いのはセフィアとメルティか…」


「フィルビアとブレジアンは中間の設定とされている。まぁ妥当か…」


「さて、では我々の方も、賭け金のベッドと致しましょうか」


 表で若者達が勝利を目指して奮闘している一方で行われる不穏な動き。

 それは裏で彼らの勝負を使ったギャンブルで、掛けたチームを勝たせる為なら裏で不正を働く事も厭わない汚い大人達である。

 "天の笛"のスポンサーもまた、ギャンブルに身を投じておくのだった。




 第1競技「ディスクシューター」

 アルテミシアチームからはハルトマリー、ネム、アッシュが出場。

 舞台に立つ選手達は次々にディスクを落としていく。

 そしてその陰で、黒ローブの男達が観客席の屋根から覗いていた。


「此処から選手達の足場を狙撃して破壊。そして転落によって失格。使う弾も低威力の魔法弾だから、痕跡も残らない。先ずはオッズ最下位のアルテミシアチームからだ」


 そう言いながら男達が魔法弾を撃ち、足場にヒビを入れ、それが段々と広がっていく。


「狙撃成功。これからアルテミシアチームが転落を…」


 しかしその時、足場の日々は無くなり、選手達も試合続行となる。


「なっ!?一体どういう事だ!?狙撃は確かに決まった筈!?」


「クソ!こうなったらもう1回撃ち落として…!」


「…っ!退避!」


 何かに気づいた1人の掛け声で全員飛び降り、その場を去っていった。

 そしてその姿を、ミザリーとリアナが見下ろしていた。


「…私の"目"の前では、隠れている事くらい筒抜けだよ~」


「選手達の足場は、私の方でコッソリ直しといたんだな、これが」


「皆この日を楽しみにして、毎日頑張って来たんだよ~。それを大人の下らない都合で、全部台無しにする様な真似は見過ごせないからね~」


「そうだね~。若人の輝かしい今をちゃんと守ってあげなくちゃね~。…っと、終わったみたいだ」


 そうしてる内にディスクシューターは終了。

 5位はメルティチーム、4位はブレジアンチーム、3位はセフィアチーム、2位フィルビアチーム、1位アルテミシアチームとなった。

 その様子を影の円卓の者達は苦虫を嚙み潰した様な表情を見せていた。


「まさか狙撃作戦が失敗するだなんて…」


「何で千里の貴婦人(レディ・アイズ)迷宮の心臓(ラビリンス・ハーツ)が現れるんだ!?」


「こちらの工作が成功しなければ、賭けどころではないぞ!」


「狼狽えるな!まだ第1競技だ、充分巻き返しが出来る。今回は外部からの攻撃だったが、次は違う手段を使う。流石にこればかりはあの2人でも想定していないだろう」


 "天の笛"のスポンサーも、余裕の笑みを浮かべるのであった。




 第2競技「マジックスケート」

 水上で選手達が駆け抜け、爽快に滑っていく。

 そんな中、水面が揺らいだかと思うと、急に大波が立つ事となった。


「おぉっと!?急にコースが荒れ始めた!?一体どうなってしまうんだぁ!?」


 しかし、コースの波も治まり、選手達も持ち直す。

 その様子を、スバルが陰で見ていた。


「…精霊達が魔力を感じたんで、こっちの方で邪魔な魔力を取り除いておいたよ」


 こうして、選手達も好調にゴールしていき、マジックスケートは終了するのだった。




 第3競技「ターゲットスクランブル」

 アルテミシアチームは、カイト、スバル、レクト、ウェインが出場。

 ブレジアンチームからもゼインとレシアンが出場。

 それから各々、ランドウルフを撃墜していく中、ウェインも懐から瓶を取り出す。


(…この薬を嗅いだらランドウルフ達は凶暴化して、更に手が付けられなくなる。俺も組織の戦闘員だから問題ないが、他の連中は違うだろう)


 ウェインが瓶の蓋を開けると、匂いを嗅いだ狼達が凶暴化され、見境なく襲い掛かってくる。

 しかしスバルが精霊を出すと、他4チーム側は大人しくなり、カイト達も難無く撃破していく。

 そうこうしている内に、試合も終わりを告げた。


(まさかあの一瞬でランドウルフ達の興奮を鎮めて、自分達の方を涼しい顔で倒していくだなんて。この連中も思ってたより強い。これは誤算だった…!)




 第4競技「フェアリーズワルツ」

 流石にこればかりは円卓の方もノーマークである為、奴らからもスルーされる。

 それにより、エミリア、ミュリナ、ミコノ、イクトと言った選手達も、思い思いに魔法のパフォーマンスを披露していく。

 そうして審査員や観客達を魅了していき、ステージの幕が下ろされる事となった。

 こうして1日目の競技は終了を迎えたが、裏で不穏な動きもあった。


「申し訳ありません。まさかこちらが使った薬をものともしなかった上に、別の場所の対処もされるだなんて」


<あの2人はエミリア王女のパーティーメンバーである以上、あれくらい想定の範囲内です。残り2日の方も、ちゃんと手を打っておく様に>


「はい!失礼します!」


 そう言ってウェインは通信を切って、その場を去っていく。


「…俺もただでやられてやる気は無いからな」




 影の円卓の者達も、1日目が想定外の事態になった事に声を荒げていた。


「まさかSランク冒険者が邪魔に入った上に、水の細工を取り除かれるだなんて!」


「それだけじゃない!あの凶暴化したランドウルフを一瞬で鎮めおった!」


「我々のギャンブルの成立の為にも、アルテミシアチームには負けてもらわなければならないのに!」


「狼狽えるな!5つのチームの合計点数はまだ僅差だ。巻き返しは効く!明日の競技は外部から幾らでも細工を施す事は出来る。大丈夫。残り2日、連中は必ず負けてくれる様になる」


 "天の笛"のスポンサーの方も、まだ落ち着いた様子を見せていた。




 夜、パーティー会場

 5か国共に立食パーティーを行ってる中、エミリアとゼシカは語り合っていた。


「エミリア王女、貴方も根回しご苦労様です」


「そう言うゼシカ王女こそ、フィルビアの方でも手を回してくれていたんでしょう?」


「えぇ。ディスクシューターの時に居た狙撃犯達は、パチュアが捕らえてくれました」


「そうね。ミザリーさんとリアナさんもパチュアに気付いてたから放置してたみたいだし」


「そちらこそ、マジックスケートでの細工をスバルさんが見抜いた事と、ターゲットスクランブルでも凶暴化したランドウルフをものともしなかったあの3人は見事なものでした」


「そりゃそうよ。うちだって去年と同じな訳無いから」


「それよりもエミリア王女、約束の時が近づいて参りましたよ」


「えぇ、明日のシティーズスクワット、また私達が勝って見せるから」


「いいえ、勝つのはフィルビアです。それでは失礼します」


 そう言ってゼシカはその場を去っていった。

 陰謀渦巻く今年の交流会、果たしてエミリア達は乗り越える事が出来るのか?

 それは今後の行く末次第である。

影の陰謀を乗り越えろ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ