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第46話

今回はテコ入れとして、ギャグ&修行となります。

 フィルビア城、噴水広場

 エミリア達は、各々で修練を行っていた。


「…ふぅ。ここまでにしましょう」


「しっかし、あのアディニタって合法ロリババアが手を貸してくれる事になったのは良かった」


「ルミナスの方も、ちゃんとフィルビア王家の下で管理して、王家公認の研究機関と連携して、研究を行うって話もしてたし、"天の笛"も迂闊に手を出せないだろ」


「これでルミナスの安全は確保出来たし、後はゼシカ王女と今後の話を…」


「あっ、こちらにいましたか、皆さん」


 と、そこにゼシカがやって来る。


「エミリア王女、サーシャ王女、今後の話がしたいので、私の部屋に来て下さい」


 それから、エミリアとサーシャは、ゼシカの自室に案内され、紅茶も出される。


「それで、話と言うのは?」


「はい。今後も500年前の勇者パーティーに関連した物が発見された際の対応についてです。"天の笛"は、今後もそれらを見つけ次第、また確保に動いて回るでしょう。それらは我々の今後の助けであると同時に、敵の手に渡れば脅威となる。謂わば諸刃の剣です。ですので、彼らよりも先に、我々の手に収めねばなりません」


「分かりました。私もマリステラ王国に連絡して、情報を回して貰います」


「私も、アルテミシアの王宮に、その旨を伝えておきます」


「ありがとうございます。それとエミリア王女」


「はい?」


「例の500年前の勇者と姫の記憶、何故夢で見る様になったか、心当たりありませんか?」


「いえ、急に見る様になったから、心当たりなんてありませんけど…」


「貴方がその夢を見る様になった事、何か意味や理由があるかもしれません。ですので、貴方の方でも、その理由の究明をお願いします」


「そうですよね。分かりました、心に留めておきます」




 1週間後、アルテミシア学園、中庭

 エミリア達は、ある事で頭を悩ませていた。


「やっぱり気になるわね。ファムとヴァーリが使ってたあのオーラ」


「あぁ確かに。僕の方も、ミルザがあれを纏った途端、彼女、雷になったみたいに感じたよ」


「ヴァーリの方も、風そのものになったみたいに荒々しくなったし、遠目で見たけど、ファムも炎そのものになったみたいに燃え盛ってたよ」


「こっちでもシェーラ先生に確認を取ってみたけど、それぞれの潜在能力と属性の力を解放する、れっきとした体内のエネルギーコントロールの技術だって話よ。魔力と属性の力以外にも、闘気や物理にも作用して、身体能力も底上げされるって話」


「今後、奴らと戦う事になる以上、アタシらも出来る様になっておかねぇと」


「でも、知ってそうなアラタは今、高難度クエストで国の外に出ちゃってるし、他にアテなんて…」


「私のやり方で試してみます?」


 と、アリアが名乗り挙げた。


「アリア?指導出来るの?」


「私はよく知りませんけど、話を聞いてみた所、前世で目にした漫画やアニメで見た方法が行けそうかなと思って」


「お前、それ、週刊少年誌の系列でよく見る様な修行がメインって事だろ?流石にこの世界でも、それが通用するかどうかなんて…」


「待ちなさい。それでも何もしないよりはましでしょう?先ずはそれで試してみましょう。それでも出来ない様なら、アラタに頼む。それで行きましょう」


「まぁ確かに。しょうがない、それで行くか」




 山岳地帯、渓谷

 エミリア達は現在、転がる大岩から逃げていた。


「ちょっと~!本当にこれ、必要なの!?」


「はい~!こう言った危機的状況や逆境から力が覚醒するパターンって、結構あるみたいです~!」


「これ、一体何処の昭和漫画だよ!?」


 それから、途轍もない切り立った断崖を登っていく。


「ぜぇ、ぜぇ、これで本当に強くなれるの?何か途轍もなく怖いだけなんだけど?」


「そんな事ありません。とあるアイドル達も、崖登りや薪割りをした事だってあります」


「そんなアイドル、本当に存在するの?」


 更に全員で滝に打たれる。


「アタシら、オーラを解放してぇんだよ!坊さんになるつもりは無いんだよ!」


「これだって、精神統一に必要な事です~!」


「確かに、肉体だけでなく、精神の方も大事よね!」


「とある忍者の少年だって、普通の滝どころか、巨大な滝を真っ二つに割ったくらいですから!」


「それ、どんな修行!?」


 でもって、尖った針山の上に置かれた石板の上で座禅。


「ちょっと~!これ、すんごい精神使うんだけど~!」


「これも、とある忍者の少年が、自然エネルギーを体内で効率良く取り込む為に行った修行です~!」


「普通に座る事すら、神経使うんですけど、これ~!」




 山岳地帯、平地

 色々試したエミリア達は、息が上がって倒れ込んでいた。


「ぜぇ、ぜぇ、何か掴めた気がしない…!」


「無駄に疲れただけだった…!」


「すみません…私…」


「アリアは気にするな…。お前も頑張った…」


「姉さんの方は、何か掴めた…?」


「ごめんなさい…。私も全然…。でも…、心身共に鍛えられたし、何か考え過ぎな気がしてたから、心を落ち着かせるのに、丁度良か…ん?心?…そうか!」


 エミリアは何かを思い付き、直ぐに起き上がる。


「そうよ、心!あのオーラは内なる力を解放する事で得られる力!と言う事は、必要なのは心の在り方!自分の内側に語り掛け、見えた力を掴み、解放する!って事は!」


 そう言ってエミリアは目を閉じて、自分の内側に精神を研ぎ澄ませ、そこにある何かを掴み、そして、それを引っ張り出す感覚でオーラを発芽させた。


「うわっ!?マジでオーラを発動させやがった!」


「虹色のオーラ…!全属性の力を宿すエミリアだからのオーラか!」


「姉さん、本当に才能があるよ!」


「良し!皆にもやり方教えるから、試してみて!」


 と、カイト達もエミリアにやり方を教わり、それぞれのオーラを発芽させていく。


「よっしゃー!オーラ習得出来た!」


「これで奴らに対抗出来る!」


「オーラも習得出来た事だし、今はもう帰りましょう。流石にシャワーも浴びたいし」


 こうしてオーラを習得した一同は、帰路に着く事となった。




 "天の笛"、地下施設

 ケイリーは謹慎が解けた事で、牢の外に出られる様になっていた。


「ふぅ~、1ヶ月ぶりに自由になったぜ~」


「あらあら、もう外に出られる様になったの、ケイリー?」


 と、そこに、口元と首をマスクで覆った、黒髪ストレートロングの黒のマーメイドドレスの女性が声を掛けた。


「お前かよ…。俺はこれから身体動かすんだ。用が無いなら話しかけんな」


「つれないわね~。隊長からの伝言を預かって来たのに~」


「何…?」


「「そろそろ貴方に、任務を言い渡しますので、それまでにリハビリを済ませておきなさい」って」


「そうか…。よし、俺もあのお姫様に借りを返したかったんだ。もう油断しねぇ!あの時使わなかったオーラも使ってやる!」


「頑張ってね~。私もそろそろ、ダーリンと愛の営みをするから」


 そう言って女性はその場を去っていく。


「エミリア王女…。この俺が絶対泣かしてやるよ!」


 そしてケイリーの方でも、エミリアへの復讐を企てるのであった。

こう言うパワーアップイベントでも良い筈…。

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