第33話
文化祭の出し物、決定。
1年1組教室
放課後のHRにて、文化祭の出し物が発表される事となった。
「えー、うちのクラスの出し物は、『コンセプトカフェ』に決定した。他のクラスと被るものが無かったお陰で、見事第1候補を掴み取る事が出来た。と言う訳で、今後、カフェの内容やメニュー、人員の配置等についても話し合う事になる。それについては、またこれからも話す事になる。以上!」
そしてHRが終わった為、生徒達は帰り支度に入っていく。
「うちのクラスの出し物、結局コンセプトカフェになっちゃったか」
「取り敢えず、街にあるカフェを回ってみる?今後の案の為に」
「それもそうね。安定したコストで集客率だって集めておく必要があるし、参考に見てみましょう」
「それじゃあ、何処を回ろうか?」
「そうねぇ…」
そして街に繰り出した一行は、人気のカフェへと入る。
「うわぁ~、結構オシャレだね~」
「内装、メニュー、雰囲気、此処の周囲に合わせて、若者や仕事の合間に来る人達にターゲットを絞っている。これがこの店の人気の理由ね」
「まぁ取り敢えず、此処のコーヒーでも頂いておこう」
「そうね。…って、あら?」
エミリアは最後尾にアラタとカガリが居るのに気付き、声を掛ける。
「アラタ~、カガリさ~ん!」
「エミリア?」
そして皆はコーヒーを受け取り、テーブル席に座るのだった。
「成程。文化祭の出し物の為の取材。もうそんな時期か」
「そう言うアラタ達は?」
「俺は仕事が一息着いたんで、カガリも今日定時で上がれたから、此処でコーヒーを頂く事にしたんだよ」
「そうよ!今日は無駄な事務処理が溜まらず、クレームも出て来なかったから、定時で上がる事が出来たの!これも全て、私の日頃の行いのお陰で勝ち取れたんだわ!」
「そう言いながらも、割とギルドに内緒でダンジョンに潜っていたが?」
「兎に角!残業が無い以上、後はこのまま家に帰って…!」
「カガリさ~ん!」
と、そこにシェズが店に入ってやって来る。
「…シェズ?アンタ一体何しに来たのよ?」
「実はカガリさんにお願いがあって…」
「…はぁ!?明後日の日曜日、デートに付き合って欲しい!?何でそんな話になるのよ!?」
「分かってる、分かってる!ほら、俺って、周りから女の影が無い事で、ギルド本部からも世帯を持ったらどうだって、お見合い写真を見せられる事がよくあるんだよ!でも俺は、カガリさん以外に振り向く気はない!だから俺とラブラブな所を見せて、周りにこの手の話から引いて貰いたいんだよ!頼む!」
「…折角の休日をアンタの為に使うのも癪だし、条件付きなら良いわよ」
「何だ?どんな条件でも飲むぞ」
「今度行われるアルテミシア学園の文化祭のお土産を買って来て。それが条件よ」
「分かった。ちゃんと買って来る」
「カガリさんとシェズさん、結構良い感じの雰囲気じゃない」
「言っとくが、カガリも受付嬢辞める気はないって話だぞ」
「そうと決まれば、早速デートプランを練るぞ!」
日曜日、商店街
エミリアとカイトは、更なる取材の為に、カフェを回る事にした。
「今回は何処を見て回ろうか?」
「先ずはスイーツカフェね。女性客を中心にする店をチェックしておきましょう」
そして2人はスイーツカフェに入り、早速注文に入る。
「僕はコーヒーとスコーンで」
「私はショートケーキにいちごタルトにモンブラン、後…」
『アップルパイを下さい。…ん?』
と、声がはもった為、視線を逸らすと、リズが隣のカウンターで注文していた。
「エミリア様?」
「貴方は、純白の盾のリズさん?」
と、折角だから3人で相席する事に。
「文化祭の出し物の為の取材なのですか?それって、どんな出し物なのです!?」
「一応、コンセプトカフェに決まったんだけど、まだ土台すら出来上がって無くて。そう言うリズさんこそ、此処によく来るの?」
「はいなのです。私はスイーツ大好きなので、時間があれば、此処に来る様にしているのです」
「リズさんって、見た目通りの女の子なのね」
「もしかして、シェズさんとロッソさんに結構可愛がられてたりして」
「そりゃあ2人には、妹みたいに可愛がられるのです。私の事、子供扱いしてるのかなと思ってた時もあるですけど、純白の盾のパーティーメンバーとして、2人も大切にしてくれているのです」
「そうですか。所で、リズさんって、カガリさんの事どう思ってるの?」
「私もカガリさんの事はよくスイーツを一緒に食べたり、お泊まりや野営の時に一緒に寝たりしているのです。安心出来るお姉さんなのです。…まぁ、シェズが落とせるかどうかは別ですけど」
「リズさんも、そう言う評価なんだ」
「まぁでも、最初の頃と比べて、デレて来ているのは確かですけど」
スイーツカフェを出た2人は、次の男性向けカフェに入るまでの時間を潰す為に、街をうろついていた。
「さて、次は男性客を狙ったカフェだけど…」
「それについては、ゆったりと落ち着きながら、コーヒーが飲める場所を売りにしているから、全体的にクラシックな外観になってるね。取り敢えず、多少小腹が空くまで…ん?」
と、そこにカイトは、買い出し中のロッソに気付く。
「ロッソさーん!」
「あれは、確か…」
と、2人はロッソと噴水に座り込む。
「へ~、文化祭。もうそんな時期になってたのか」
「そう言うロッソさんはパーティーの買い出し?」
「そうだよ。日用品は勿論、武器のメンテに索敵用品、後、キャンプ用品のチェックと来た。いや~、仕事の多い冒険者となると、ここら辺もこまめにやる必要があってさぁ~」
「意外ですね。貴方、こう言う事面倒臭がるかと思ってたんですけど」
「面倒だよ。でも、リズがこう言った話うるさくてさぁ~。仕方なくやってるんだよ」
「確かに彼女なら言いそうね。後、シェズさんもそこら辺しっかりしてそうだし」
「そうだな。うちのリーダーも、指揮も戦闘技術も人望も申し分ない。当然、クエストの進行に関する指揮も常に的確だ。まぁ、カガリさんとの関係については、俺も望み薄だとは思うけど」
「ロッソさんまでそう言う評価なのね」
「そりゃそうだろ。じゃあ、俺は買い出しに戻るわ」
「僕達も、そろそろ次のカフェに行きます」
そしてその場でお開きの流れになった。
夕方、街道
2人は帰路に着きながら、取材の結果を話していた。
「それで、出し物のカフェ、土台だけでも決まりそう?」
「うーん、そうねぇ。学生の出し物だから、低コストで済ませられる様に整えておきたいわね。機材は貸し出しで済ませられるし、裏方の調理担当も、料理出来る人達を入れておかないと。そしたら、問題は客を呼ぶ事が出来るコンセプトよね。どう言うのが良いかしら?」
「そうだね。皆が納得出来てかつ人を呼び寄せる事が出来るものじゃないと」
「そこら辺は、追々クラスの皆と話し合いながら決めましょう。コンセプトと人員配置が決まったら、次はシフト分けね。私達もシェズさんを手伝いたいし」
「あぁ、シェズさんもお土産選びちゃんと出来なかったら、カガリさんの機嫌悪くさせちゃうもんね。って言うか姉さんこそ、多分アラタさんも来る筈だけど、店と一緒に回るの大丈夫なの?」
「そこで蒸し返さないでよ!心配しなくても、アラタの前でもちゃんと振る舞うわよ!」
「それもそうだね。姉さんとアラタさんも、良い雰囲気になってるし」
「もう、揶揄わないでよ!」
と、2人は談笑しながら、文化祭での過ごし方を語らって、学園に戻るのだった。
カガリ関係も触れておきます。




