第12話
3日目は駆け足で進めます。
セフィアスタジアム、第9競技「フライングダンス」
「では、フライングダンスのルール説明と参ります!1人ずつ飛行魔法で飛び上がり、ダンスパフォーマンスを披露して貰います!フェアリーズワルツ同様、持ち点10点の審査員5人からの評価で得点が決まります!尚、制限時間内に飛行魔法が解除され、途中で落ちたら失格!空中演舞で如何に高得点を引き出せるのか、それぞれの技量に掛かっています!では、選手の入場です!」
そして、ステージ衣装に身を包んだ選手達が舞台上に立つ。
その中には、ミーシャ、ミコノ、ゼシカの姿もあった。
「それでは、順番に舞い踊って下さい!」
そして選手達が順番に空で舞い踊る。
出した得点の方も、20~35点が出ていた。
順番が流れてミーシア、蝶の羽を出して、蝶を思わせる舞を披露、32点を出す。
次にヴィオラ、空中で炎と共に舞い踊る姿を見せ、38点を出す。
ミーシャが空に飛び出すと、光のリボンを出して、新体操を思わせる動きで魅了、40点を出す。
ミコノが光の帯と共に空中を駆ける猫を思わせる動きを見せ、42点を出す。
ゼシカが氷魔法で雪を降らせてからの空中での氷のアートで、42点を出す。
リリアンが水魔法で出した海の生物達と共に泳ぐ姿を見せて、40点を出す。
最後にエミリア、光魔法で天使の翼を出して飛翔、天使を連想させるパフォーマンスの数々を見せ、最後は空一面を光で照らし、45点を出す。
「皆さん、良いパフォーマンスでした!特に王女様方、大変美しかったです!では、気になる総合成績は、5位ブレジアンチーム、4位セフィアチーム、3位フィルビアチーム、2位メルティチーム、1位アルテミシアチームだ!」
観客席の歓声を背後に、王女達は並び立つ。
「流石だわエミリア王女、また負けてしまいました」
「私も、潔く負けを認めるよ」
「次は私が、エンタメ王国の王女として勝って見せるからね」
「えぇ、私もまた勝って見せますから」
第10競技「トワリングボール」
「では、トワリングボールのルール説明と参ります!会場で用意されたボールを浮遊魔法で持ち上げ、指定されたコース通りに動かして貰います!軌道通りに上手く描けている程、手に入る得点も大きくなっていきます!そして、このボールを途中で落としたり割ったりしたら失格となります!では、選手の入場です!」
そして、パフォーマンス衣装となった選手達が入場する。
「では、こちらで決めた順番でボールを空中で描いて下さい!」
そして、選手達が順番に空中で描かれた一筆書きに沿ってボールを動かす。
その絵は猫や花等の簡易イラストの数々。
ここまでの得点も50~85点が出ている。
ハルトマリーも慎重に描く事で72点、トールもスピードを上手く調整する事で78点、アイラもスピードとコントロールのバランスを調整して80点を出す。
「これにて全員終了!では、総合成績の方は、5位セフィアチーム、4位ブレジアンチーム、3位メルティチーム、2位アルテミシアチーム、1位フィルビアチームだ!」
観客席の歓声に、選手達も一礼する。
第11競技「クリエイトキューブ」
「では、クリエイトキューブのルール説明と参ります!フィールドに設置された巨大キューブをチームで刻んで、1つの作品を創って頂きます!これまで同様、持ち点10点の審査員5人から高評価を出せるかが鍵です!では、選手の入場です!」
そして、美術作業用の服装となった選手達が入場する。
「では、各チーム、作品を完成させて下さい!」
そして、各チーム毎に巨大キューブを刻んで、1つの像が創られていく。
セフィアチーム作「栄光を掴んだ英雄」
メルティチーム作「地上で歌う人魚姫」
ブレジアンチーム作「猛る騎馬兵」
フィルビアチーム作「英知に辿り着いた魔導士」
アルテミシアチーム作「自然と共に生きる人間と動物」
「では、各チームの作品の成績順位を発表します!5位ブレジアンチーム、4位セフィアチーム、3位フィルビアチーム、2位アルテミシアチーム、1位メルティチームだ!どれも素晴らしい作品でしたが、全て僅差で決まりました!」
観客席から作品への拍手が鳴り響く。
第12競技「ラビリンスレース」
「では、ラビリンスレースのルール説明と参ります!会場で用意された巨大迷路に、各チームがスタート地点に転送されます!それぞれ迷路内に設置されたゴーレムとの戦闘込みで、ゴールを目指して貰います!そして、無事ゴール出来たタイムが早い順に順位が決まります!無論、これまでの戦闘系競技同様のリングと転移クリスタルが各自配布され、ターゲットスクランブル同様1人でもリングを割ったらリタイアとなります!では、選手の入場です!」
そして、冒険者衣装となった選手達が入場する。
「では、巨大迷路へ転送します!ゴール目指して頑張って下さい!」
カウントダウンと共に、各チーム別々の迷路へ転送される。
アルテミシアチーム、ラウディーが反響魔法を使っていた。
「音の反射具合で周囲の構造及びゴーレムを確認しながら進むぞ」
そして、各チーム毎に迷路での各攻略方法を実践しながら進んで行く。
途中で現れたゴーレムも、上手く連携しながら倒していった。
そして迎えたゴール直前で、最後のゴーレムとの戦闘が行われる。
ラウディーが補助魔法を展開、そして全員拡散。
ウォルとカヤがゴーレムの足を崩し、体勢が崩れた所をカイトが一閃、最後にレクトが剝き出しになったコアを槍で一突き、ゴーレムの鎮圧に成功。
そしてアルテミシアチームがゴールした。
全てのチームがゴールした事で終了のブザーが鳴る。
「全員迷路から脱出しました!成績順位を発表します!5位メルティチーム、4位セフィアチーム、3位ブレジアンチーム、2位フィルビアチーム、1位アルテミシアチームだ!」
観客席から歓声が鳴り響く。
表彰式
「それでは、先ず各部門での表彰を行います!芸術部門メルティチーム、戦闘部門ブレジアンチーム、体力部門セフィアチームが入賞!最後に総合部門の順位は、5位メルティチーム、4位セフィアチーム、3位ブレジアンチーム、2位フィルビアチーム、1位アルテミシアチームだ!」
観客席から歓声が湧き上がる。
「では、アルテミシアチームにトロフィーが授与されます!」
そしてチーム代表のラウディーがトロフィーを受け取る。
「皆様、この3日間の激闘を戦い抜いた者達に、盛大な拍手をお願いします!」
そして、観客席から拍手が鳴り響き、選手達も手を振って応える。
夜、パーティー会場
5か国一緒に過ごす最後の夜は、ダンスパーティーとなっていた。
アルベルト、アルフォード、シェーラもバルコニーで例の男達の事を話していた。
「あの男達は、私の方で厳重に監視してあるから、城に戻ったら取り調べの準備をお願い」
「心得てます」
ラウディーとリリアンも、ホールで踊る者達を見ながら、物思いに馳せていた。
「学園生活最後の1年、その1つ目のイベントも終わってしまったな」
「そうね。…ねぇラウ、もし良かったらだけど、私と一緒に踊らない?」
「ん?あぁ、別に構わないぞ。」
そして2人は手を取り合い、ダンスをする。
エミリアとカイトも、一緒に踊っていた。
「姉さん、リードが上手いね」
「城でダンスの方も散々指導されたからね。これくらい出来て当然よ」
「こうしてると、何か姉さん、お姫様って感じが出てるな」
「失礼ね。もう私は本物の、立派なお姫様よ」
こうして、皆は最後の夜を楽しく過ごしていくのであった。
交流会、終了。