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第0話

このサイトでの初の投稿、それも重複投稿です。

 ここは、アルテミシア王国。

 あらゆる文化や種族を受け入れ、発展させる国。

 故に、国の人々は異種族に寛容であり、それにより国も発展している。

 優秀な人材を埋もれさせない様、種族や階級に囚われない広い視点での人材発掘も実施されている。

 それにより、文化も技術も冒険者も日々進歩しているのである。




 とある森林の中

 その中を、10歳ぐらいの黒髪の少年が走っていた。

 彼はスレイ・ワーグナー。剣の名家『ワーグナー家』の次男である。


「あのクソ親父!俺の気も知らないで!俺だって真面目に剣の稽古やってるってのに!」


 彼は父親と反りが合わず、家を飛び出していた所である。

 そんな時、彼の前に1人の少女が倒れているのが見えた。

 純白のドレスに身を包んだ10歳ぐらいの金髪の少女が、腹部に血を流して倒れていたのである。


「ちょ…!君、大丈夫!?」


 スレイも慌てて駆け寄るが、少女の身体は冷たく、ピクリとも動かない。


「死んでる…!?ってかこの子、まさかエミリア王女!?」


 スレイも少女に見覚えがあった。

 彼女はエミリア・フォン・アルテミシア。現在10歳のこの国の第1王女である。


「まずいぞ!?王族が暗殺されたなんて大事件だ!でも一体どうすれば!?」


 そんな時、魔女の服装をした、ウェーブロングの黒髪の女性が現れた。


「君。一体どうしたの?」


「お姉さん、誰?」


「私はシェーラ。この国の静かな場所で暮らしている魔女よ」


「あの!実はこの子、この国のお姫様なんだけど、身体が冷たくなって、それでその…!」


「落ち着きなさい。…貴方、何か望みはない?対価さえ払えば、それに見合った望みを叶えてあげるわ。流石に死者蘇生は無理ね。既に魂が肉体から離れてしまっているから」


「っ!?…俺、実はあの家嫌になっていたんだ。それで思っちゃったんだ。この子の代わりになろうかなって。流石に無理だよね?あの家に帰らない代わりに王女様をやりたいなんて…」


「心からの願い、確かに聞き取ったわ。」


「えっ?」


 シェーラがそういった途端、魔法陣が展開され、スレイの身体が宙に浮き、彼の首と胴体が分かれた。


「えっ!?どうなってるの!?」


「それじゃ次は…」


 エミリアの傷が治った後に首と胴体も分かれ、スレイの首とエミリアの胴体がくっつく。


「えっ!?何で俺、ドレス着てるの!?胸ちょっとある!?アレがない!?」


「剣士の男としての人生を捨てる対価として、男の体は差し押さえるわ。仕上げに…」


 そう言うとシェーラはエミリアの頭を仮面に変え、それをスレイに被せる。

 するとスレイの頭が光ると、エミリアの頭に早変わりし、シェーラも鏡を出した。


「この顔、私エミリアに!?…あら?この口調と仕草は私のもの?それにこの記憶…?」


「これなら貴方の中身が別人だなんて気付かれないわ。それじゃ、私と話せる水晶も渡しておくから」


 そしてシェーラは手のひらサイズの長方形の水晶を手渡しし、魔法陣をエミリアの足元に展開した。


「これから城門前に転送するわ。それじゃ、第2の人生頑張ってね」


 そしてエミリアは城門前に送られ、それを見つけた兵士に城の中へ連れて来られる。

 そんな彼女をこの国の国王オズワルド・フォン・アルテミシアと、王妃エルメシア・フォン・アルテミシアが抱きしめる。


「良かった。エミリアが無事で」


「心配したのよ。全くもう…」


「…はい。ご心配おかけしました。お父様、お母様」


 エミリアもその温もりに涙を流しながら抱きしめ返した。




 1ヶ月後、エミリアの自室

 エミリアはベッドに腰掛けると、仮面を外して一息ついた。


「ふぅ…。やっぱり王族となると勉強とか色々と忙しいな。でも俺が望んだ事だし、文句は言わないけど。家族が暖かい人達だからあの家より居心地が良い。俺の事見てくれていたアルフォード兄さんとカイト。どうしてるかな…」


 その時、あの水晶が光り、スレイも通信に応答する。


「もしもし?」


「どう、お姫様として暮らすのは?」


「ああ。結構充実しているよ」


「そう。処で、その身体、魔力が宿っている事に気付いてた?」


「ああ、一応城の魔導士から聞いてるよ。膨大な魔力量だって話だ。で、俺も思ったんだ。もしかして伸び悩んでいた剣の腕も、魔法剣士ならいけるんじゃないかって」


 その後、エミリアは城の図書館で座学と並行して魔法の勉強を行い、学園から長期休暇で帰って来た第1王子アルベルト・フォン・アルテミシアにも剣の稽古を頼んでいた。

 そして8月頃、中庭


「さてと、今日の所はここまでにしよう」


「ありがとうございます、お兄様」


「…処で、お前エミリアじゃないだろう?」


「っ!?」


「分かるさ。関わるなら政だけで十分と言っていたエミリアが戦闘関連の稽古も付けた時点で。それに今まで剣を持った事も無かったのに、既に基礎が出来てる時点でな」


 観念した様にエミリアは仮面を取った。


「…誰にも言わないで下さいね」


 それからスレイは、シェーラとの契約の経緯を話した。


「…そうか。分かった、この事は誰にも言わない。それに、今のお前も、俺の弟であり、妹でもあるからな」


 と、アルベルトは笑いながらスレイの頭を撫でた。


「…やっぱりここの家族は暖かいな」




 スレイ11歳、エミリアの自室

 スレイとシェーラがテーブルを挟んでお茶を飲んでいた。


「それじゃ面談と行くけど、どう、ここ1年でのお姫様生活は?」


「そりゃあ勉強だの作法だのはうるさいけど、あの家にいた時と比べると充実してるよ。魔法の勉強も進んでるし、剣の稽古も捗ってる。冒険者ギルドに登録もする事になった。まぁアルベルト兄さんにはバレちゃったけど、あの人もちゃんと理解してくれたよ」


 そう言ってスレイはカップを持って紅茶を口にする。


「ふーん。処でスレイ、ソーサー持ってカップを口にする動作と、足を閉じて横にして両手を足の付け根の上で重ねる座り方、素顔に戻ってもお姫様の動作をやっちゃってるのね?」


「あっ、本当だ!自覚してなかった!癖が完全に染みついちゃってたか!?」


「ふーん。お姫様生活、結構充実してるみたいね?素顔もドレスでも違和感無い顔付だし、案外天職だったりして」


「揶揄うなよ!もう!」


 と、スレイも頬を膨らませながら文句をこう垂れるのだった。




 エミリア12歳、エミリアの自室

 エミリアが着替えていると、自身の胸に違和感を覚えた。


「あら?胸がちょっと苦しい?」


 そしてエミリアは何かあると不味いと思い、医務室で見て貰う事に。


「あぁ、大丈夫ですよ。恐らくエミリア様は王妃様の遺伝で発育が良い方だと思われます」


(えぇっ!?女性の裸に見慣れるのに1ヶ月掛かった上に、女性の体に纏わるアレコレについて理解するのにも恥ずかしかったのに、そこに自身の発育の問題まで加わってしまうの!?)


 それからエミリアは、急速に育っていく胸や尻に戸惑いを見せ、周りに変に思われない様に女体の耐性を強め、化粧や体のケア等に纏わる知識も一緒に取り入れ、そして15歳の時を迎えた。


「…12歳の時にBになり始め、13歳でD、14歳でF、そして15歳の今になって私の胸はHカップ。我ながら、とんでもない発育の良さだわ…」


 と、エミリアは腰まで届く様になった長い金髪を揺らし、純白のドレスに包まれたグラマラスな肢体に溜息を吐いた。




 遂にエミリア兼スレイは15歳の時を迎えた。

 今この時を持って、物語は動き出す事となる。

 このアルテミシア王国、そして王立アルテミシア学園を中心に。

pixivのストックが無くなったら、週1で同時掲載になります。

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