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3 自己紹介

 登場人物の名前は特定外来種からとりました。(特定じゃないのもあるかも)

 キャラをたくさん出すと覚えるのが大変で良く忘れます。

 暗い廊下ではすれちがう人がセンカ達をジロジロ見てくる。自分たちが珍しい動物になったみたい。



「こちらが大広間です。どうぞおくつろぎ下さい」


 だだっ広い広間の中心に、長いテーブルが置かれイスが並べられている。みんなパラパラ座った。

 センカもリュックをイスの背中にかけて、メガネのお姉さんのとなりに座る。



「ね、ここって本当に異世界だと思う?」

 お姉さんが話しかけてきた。


「感覚はしっかりしてるし、素数が数えられるから明晰夢(めいせきむ)ではないだろうけど。妄想に囚われている説は捨てられないし、集団ヒステリーかもしれないよね」


 向かいに座った男性もうなずいている。センカもなるほど、とは思ったけれど、実はもうこの状況を受け入れだしていた。


 呼び出されたメンバーには、あからさまな子供や年寄りはいない。見ただけで病気と分かる人もいない。


(やっぱり冒険に向いてるタイプが呼ばれたのかな)




 オジサマがテーブルのはじっこ、別名お誕生席に座って名乗る。

「私はセタカの領主アノールともうします。みなさんのお名前を教えていただけるかな」


 領主の近くから、順に自己紹介が始まった。


「俺はアダチ・コウタ。合コンで振られてこんな状態に巻き込まれて‥トホホっす」

 最初の茶髪さんがあえておどけてくれたおかげで、みんな肩の力がちょっとだけぬけたみたい。


「僕はタジリ・ヒロトです。今日は出張で新幹線に乗ったら、ここに着いていました」

 サラリーマンが全員に名刺を配る。


「私は、ニシカワ・スズカともうします‥看護師の資格持ってます‥」

「トリオ・ヒメコ、高2です」

 大人の女性とワンピース女子が続く。


「私はサクマ・レナ。生物学専攻」

 メガネ姉さんはリケジョだった。次はセンカの番。

「クメダ・センカです」


「オオチ・スバルです。高校1年です」

「ホテイ・アオイっす」

 ガリガリとマッチョが答えた。以上八人が異世界召喚組だ。


(一気に名前教えられて、みんな覚えられるのか?)


 少なくともセンカには無理だ。




「見知らぬ世界で冷静に対処いただき、ありがたく存じます。それでは現状を説明いたします。我が領地はミカツキ王国の辺境に位置し、常に敵との争いが絶えません。領土のおよそ三割は失われ兵達も疲弊(ひへい)しております。どうかみなさまのお力で、我らを憎き敵からお救い下さい」


 アノールの言葉に、みんな唖然(あぜん)とした。


「えっと…それは戦争をしてくれってことですか?」

 勇気を出してセンカが尋ねる。


「はい、もちろんあなた方だけに戦わせる訳ではありません。女性の方が半分もいらっしゃるので、後方支援をお願いする場合もございます」


「俺たち殺し合いなんてしたことないんだ」

 男性陣がさわぎだす。女子高生は顔が真っ青だ。


「あの」

 メガネ姉さんが手を上げた。


「その場合、なぜ私達が呼び出されたのですか。戦いなら警察官や自衛官を呼び出した方が理にかなうはず‥もっと言えば日本人じゃなくて、戦いに慣れた国の軍人とかにすれば良かったのに」


「そうだ!なんで俺たちなんだよ」

 メガネさんのもっともな質問に、サラリーマンが激しく同意する。


 アノールはため息をついた。

「魔法とは不安定な力でして、こちらから選ぶことはできかねるのでございます。ただあなたがたは、けして非力な存在ではありません。あれを」



 さっきのイケメンと長いドレスを着た女の人がきれいな箱を持ってきた。

 「妻のオルハと息子のルーギルにございます」

 オジサマとイケメンは親子らしい。奥様は優雅におじぎする。


 ルーギルが箱から小袋を出して、一人ずつに配りだした。センカにも渡される。首にかけられるくらいのヒモが付いていて、中には硬いものが入っている。出してみると鉱石っぽいかけらだ。


「魔法石にございます」

 みんなが小石を取り出す。


「お手に取り、願いをおかけになってみて下さい。みなさまそれぞれの魔法が使えるでしょう」



 他のメンバーは不審感たっぷりのようだが、センカはさっそく小石に願いをかける。



(夢の中みたいに空飛びたいな)


 フワッと体が浮いた。ドンとすぐ落ちたけど。


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