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24/40

24 襲撃

 風邪をひいてしまったので、更新が遅れます。


 鼻が壊れた‥ ステロイドが効かないだと?


 ドン!

 センカの体がいきなり衝撃に襲われた。目の前の明かりが消える。


「何」


 つぶやきながら気がついた。

 明かりを持っていた男が倒れていること、その体に何かがおおいかぶさっている事、何かは光る眼でこちらを見た事。



「エエエ!」


 悲鳴が上がった。センカが出したのだ。

 馬が暴れる。手綱がゆるむ。周りの歩兵を置き去りにして、馬は走り出した。

 



 闇の中を馬が駆ける。センカはしがみついているだけでやっとだった。



 しばらくの間暴走が続いたが、さすがに馬も疲れたようでやっと歩きに戻る。


「ここどこ?」


 センカは途方に暮れた。周りは真っ暗で何も見えない。本隊からずいぶん離れてしまったようだ。


 いくらセンカの方向感覚が良くても、馬で走りまくった後では方角の見当さえつかない。


「みんなと会いたいの。どっちか分かる?」

 センカは馬に話しかけた。

 まだ馬の方が知っているかも知れない。しかし馬はハアハア息をしながら止まった。すっかり疲れているようだ。



 態勢がつらいのでセンカは馬から下りる。

 日が昇るのを待った方がいいかもしれない。


 馬は汗まみれだ。くしをかけてあげたいけど持っていない。

「疲れたね、あたしも疲れたよ。早く朝にならないかな」


 馬をなでながら話しかける、と馬の体がビクンと動いた。緊張しているのだ。


「何」


 センカは暗闇に目をこらした。腐臭がただよってくる。これは‥ 魔獣のにおいだ。

 馬は飛び上がり逃げた。センカをおきざりにして。


(ヤバい)

 センカの体には逃げ切る体力なんて残っていない。


(戦うしかない)

 剣を引きぬき構える。



 それは目をギラギラさせてセンカに向って来た。強まる腐臭。数秒後にはセンカの体を食いちぎるのだろう。


(ヤラナキャヤラレル)


 センカの頭は思考を止めた。


 右肩が後ろに下がり、剣を握る指に腕に力がこもる。

 周りの映像がスローモーションになった。

 魔物は地面をけって宙に飛び上がるのが見える。


 センカは魔物を見つめたまま上半身ごと右腕を振り下ろした。


 グンと右手から全身に衝撃が走る。魔物は‥ 吹っ飛んでいた。


「倒、せた?」


 でもまだ油断はできない。センカは闇の中をキョロキョロする。

 赤い点が四つセンカをにらんでいた。


「後二匹」

 怖い。でも立ち向かわなくちゃ自分が死ぬ。


 センカは両手で剣を握った。頭はやけに冷静で赤い点の動きをとらえる。

 魔物が飛びかかりセンカは無情に剣を振り下ろす。ぐしゃりと音がした。


 右足の違和感に気がつき見下ろすともう一匹にかみつかれている。

 すぐになぎはらうとヒュウっと叫んだ魔物は逃げて行った。



 どうやら危機は去ったみたい。センカはその場にへたりこんだ。



 月は傾いている。おそらく数時間で日がのぼる。


「それまで眠っちゃだめ」

 自分自身に言い聞かせた。

 魔物がいつ近づいて来るのか分からないから。


 右足がジンジンする。鋭い痛みがセンカを襲った。

 懐から魔石を取り出してかまれた右足にくっつける。気休めに過ぎないけど消毒か痛み止めになるかもしれない。


 痛みで眠りたいのを何とかこらえていると、地平線が見えた。夜が明けるのだ。



 センカの意識はそこで途絶えた。



 馬と相談する、は魔法でもチートでもなく、動物好きには全員装備されている通常スキルです!

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