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19 レッツ自炊!


「自炊したいなぁ」

 センカのつぶやきに周りが賛同する。


「そうだよな」

「せめて野菜は食べたいよね」


 こっちの料理では野菜は付け合わせ程度でとても足りない。


「あたし自分がこんなに野菜を食べたがるなんて思わなかった」

 センカは母の料理を思い出す。


 トロリとゆで上がったホウレンソウ、キャベツたっぷりのお好み焼き、ニンジンとジャガイモのお味噌汁。


 異世界組みんながうなずく。

(あたしがみんなと同じ気分なんて‥ 不思議)


 とにかく料理の許可はもらっとこうと意見は一致した。




「こちらの料理人には不満でしょうか」

 センカ達の必死な頼みに領主アノールは首をかしげた。


「違うんです。その、私たちの国の料理とこちらの世界のでは味が全然違ってて。何日かに一度でいいので、自分たちで作らせてもらえませんか」

「そうですよ、今日なんて魔法で訓練する日だから、時間余りますよね」


 ヒメコの言葉にセンカが続ける。そりゃセンカには野菜炒めくらいしか作れないけど。

 異世界組の必死な様子にアノールも許可をくれた。




 訓練の後、センカとメガネさん‥ じゃなくてサクマさんと、茶髪のアダチさんと護衛の兵士で買い出しに出かける。


 訓練の後出かけるなんて、センカにもずいぶん筋肉がついたようだ。



 食料品店で葉物を三たばと根菜類を二たばに豆を一袋買った。


 城の台所に持っていくと、ニシカワさんは鍋で鶏ガラを煮込んでいる。

「夕食用にさばいた鶏があったのよ」


 いいにおい。でも食べるのは授業の後まで待たなくちゃいけない。

 肉だらけの晩餐もおいしいけど今夜はお葉物たっぷりのスープだ。待ちきれない。



 退屈な講義がやっと終わって、みんなで台所に急ぐ。

 野菜を洗って切って鍋に放りこむ。

 煮込んでいる間に、もう一方のコンロでは野菜やベーコンを炒めている。


 八人もいると作業が進むんで大量の料理がどんどん作られていった。




 やっと夕食の時間だ。テーブルには野菜料理が並んでいる。


 木の椀によそられたスープを飲んで、センカはため息をついた。

(この緑色のはキャベツみたい。ちょっと癖は強いけど)


 久しぶりの野菜づくしにワシワシ食が進む。

 料理を盛るしきパンに野菜のうまみがしみこむが、これは食べないのがマナー。センカももう覚えた。



「こんな美味な野菜があるなんて」

 領主の一家も気に入ったようだ。奥様も目を丸くしている。

「作り方を家の料理長に教えていただきたいものね」


 それからニシカワさんとサクマさんは自由時間になると厨房にこもるようになった。

 厨房も野菜の仕入れを増やしてくれたから、他のメンバーも時々食べたい物を作りに行く。



 おかげで野菜不足は解消したし、麦茶も飲めるようになった。

「洗って乾かしたのを、炒るだけなんですよ」

 ニシカワさんは昔ネットで手作りの方法を色々調べたらしい。


 サクマさんは天然酵母造りに手を出している。

「フワフワパンも作れるはずなんだよ」



 別の作品にも書きましたが、野菜は貧民の食べ物。


 ヨーロッパに旅行に行った時、野菜不足でニキビや口内炎を発症しました。

 インスタントの野菜スープを持参するのがお薦めです。青汁やビタミン剤でも可。


 ジュースはおいしいのでビタミンCは問題ありません。


 もしかして格安ツアーじゃなければ野菜も出るのでしょうか?

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