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13 魔術の授業?


 文字練習ももちろん滞りなく進む。


「みなさん、優秀なのですね。でしたら基礎魔術に進みます」


 センカは集中した。力が無い以上、ここで頑張らなくては生きていけない。 



 クアモは本を開いた。


「基礎では薬草について学びます。この黄色い花は牛のサラダと呼ばれ、煎じ汁は胃痛に効果があります。こちらはドクバナ、名前に毒と付いていますがくさいだけです。体の循環を良くするそうです。アーロの茎には傷をいやす成分があり‥」


 センカはがっかりした。これではただの理科だ。



「分類はどうなっていますか」

 メガネのサクマさんが手を上げる。


(そう言えば生物が得意だったような)


「分類とは何でしょうか」

「子葉の数や葉脈の入り方とか特性が似ている同士で植物の種類を分けるじゃないですか。双子葉類とか」


 お姉さんが必死に訴えても、クアモには通じていない。


「名前と図と効能が分かれば良いと思いますよ。みなさまが戦いで傷ついた時に、薬草を知っていればご自分での対処もできましょう」


「それでも、分類こそ学問の発展につながるんです」

 姉さんはひかない。


 多分すごく大事なことなんだ。



「この世界の学問がその程度なら、医療のレベルも低いってことでしょう、大ケガしたらどうするんですか」

「それは…アーロの茎の皮をむいて中身をすりつぶし、汁を傷口にかけてから包帯を巻いて呪文を唱えます」


 センカの顔から血の気が引いた。

「じゃあケガだけで一発アウトかもしれないの」


 クアモは手を振る。

「魔法をかけても無理な場合はあきらめます。では呪文ですが」


 みんなあっけに取られている。



「魔法があるせいで科学が進歩してないんじゃ」

 メガネ姉さんがつぶやいた。それは一理あるかもとセンカはうなずく。



 とにかくその日教わったのは、魔法は無いものを出すことは難しいが、存在する物の特性をふまえて効果を大きくする事は可能らしい。

 

 限界もたくさんあり、例えば鎧を軽くすると防御力も弱くなるから軽くしすぎない方が良いそうだ。



「今日はここまでにしましょう。もうすぐ夕食ですが、後は自由時間ですよ」


 夕食は元の世界だったら3時~4時くらいだろうか。

 



「自由って言われてもね」


 体がもう動かない。部屋に戻ってベッドに倒れ込む。


「ダイエットになるといいな」

 ヒメコがお腹をさすっている。


「ヒメコやせてるじゃん」

 寝ながらぼやくとヒメコは苦笑いした。

「それがウエストやばいの、私」


 誰にでも悩みはあるようだ。



「魔法でダイエットできればいいのに。代謝が良くなるとか」


 センカは目を見開いた。その手があったか。

「君天才? だったら筋肉も付くんじゃないか」


「肉体改造は向かないんじゃないかなぁ」


 真面目なヒメコの発言に、センカも注意されていた事を思い出す。


「ん…そうだ! 摂取した栄養が、効率よく筋肉になる魔法だったら」


 ヒメコの瞳がキラリと光る。



 夕食で考えを披露すると、アノールもルーギルも反対はしなかった。と言うか人体についての知識が無さ過ぎてデータが取れないようだ。



「筋肉はバランスよくきたえる必要があるよな」


 マッチョのホテイさんは筋トレブックを持っているらしい。

「明日の訓練の前に確認しようぜ」



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