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1/16

1 誘拐にしか見えないんですけど。

 恋愛要素はほぼなし。

 完結するかも未定。

 人気出ないだろうなぁ~ ^^;

 頭が痛い。


 センカは目を開いた。

(どこだっけ?ここ)

 知らない建物の中に人が何人もいる。


 センカの周りをヒラヒラした衣装のコスプレイヤーたちが取り囲んでいた。

 普通の服装の人も何人かいるけど、自信満々のコスプレイヤーを不安そうに見ている。



「みなさまようこそお越しいただけました。ここはセタカの国、あなたがたの世界とは異なる所」


 大声にセンカはビクッとする。

(は、何? この人。あたし‥ああ誘拐されたのか)




 センカはその日の夜に家を飛び出したのだ。

 理由は親とのケンカ。

 センカが学校を休みがちなのを今日も叱られたから。


 とりあえず近所をぐるっと一周する。

 夜の町は通行人も少なくて静かだ。センカは深呼吸した。


(このまま家出しちゃおうかな)

 

 一応財布は持っているけど中身は少ない。ホテルなどには泊まれない。

 そもそも高校生一人ではすぐに補導されてしまう。


(あたしにできる家出なんて近所をウロウロするだけか)


 もっと遠くに行きたかった。全然知らない場所、ここではないどこかへ。


(外国行きたいな、タイムスリップでもいいよね。あ異世界でもいいな)


 古代ローマやRPGゲームに迷い込む自分を想像してニコッとしながら角を曲がる。

 そこにはバス停があった。白いベンチもある。


(こんな所にバス走ってたっけ)


 少し疲れていたから座る。

 ベンチの上には忘れ物だろうか、きれいなカードが一枚あった。


 お城の絵が描いてある。

 カードを手に取っているとゴワッと音がした。



 バスが止まっている。


 センカが急いでベンチから立ち上がると「不思議ツアー」と書かれたバスのドアがウィーンと開く。

 車掌が出てきたけど暗くて顔は見えない。


「バスツアー参加の方ですね」

 センカは首を振った。

 近所にツアーバスが来るのは変だし、申し込みをした覚えもない。


「人違いですよ、それにお金持って無いんです」


 ドキドキしながら断る。もし乗ってしまえば何かが始まるかもしれない。

 でも何か怖い。誘拐や詐欺かもしれないし。


「おや、切符を持っているじゃありませんか」

 車掌はセンカの手の中のカードを指さした。



「あなたは選ばれたのですよ、どうぞお乗り下さい。それともずーっとここにいるつもりなのですか」


 その言葉でセンカは吹っ切れた。体がフラフラとバスに乗り込む。


 バスの中には何人か先客がいる。空いた席に腰かけると眠気がおそってきた。

(ちょっとだけ)と目を閉じる。

 


 意識はあっと言う間に遠ざかった。



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