第6話 雨降って地固まる、ってやつ?
「私はルーン大好きですからね!」
「俺もだ!!」
「私も」
「あ、ありがと…う?」
追放反対してくれて嬉しいけど、急に大好きと言われ戸惑う。
「俺もだよっ!!」
何事もなかったかのように輪に入ってくる事の発端バルト。
「てめーは許さん」
「お詫びにこのしょんぼりルーンの映像石、みんなの分も焼き増すから」
「仕方ない、許そう」
こそこそとルーンの見えないところで取り引きが行われる。
「ねぇ?みんなは…その…僕が邪魔じゃない?」
確認しないと不安が拭えないルーンは耳を垂らしながらおどおどと皆を見上げ問いかける。
きゅーーーーん
ルーンの表情に4人は胸を鷲掴まれ悶え出す。
「ちょ!?みんな大丈夫??」
4人の悶える姿に慌てて声をかける。
「「「「邪魔なもんか!!」」」」
4人の言葉に嬉しくて涙が出てきた。
決してハモった大きな声に耳がキーンとした訳ではない。
ーーーーーーー
「ごめんな、ルーン。
その、さ。俺達はルーンにとってちゃんと仲間って思ってもらえてるのか、確かめたかったんだ」
「え!?」
意外な言葉に驚いてルーンは目を丸くした。
「そんな!僕の方こそ皆の役にたってないし、仲間と認めてもらえ…」
「「「「仲間だよ!!」」」」
4人に言葉を遮られる。
「ルーンのお陰で(悲しませないために)怪我も最小限で済んでるんだぜ」
「(ふわもふのお陰で)モチベ上がってますし!」
「(守りたいから)力も漲る、盾職冥利につきる」
「アニマルセラピー」
なんか言葉が隠れているような気がする。
最後のメルダの言葉はよく言われた冗談かな?と思う事にした。
「ありがとう!僕もみんな大好きだし大切な仲間だよ!!」
満面の笑顔でそう答えると、みんながまた抱きついてきた。
(僕は幸せものだなぁ)
((((もふもふっもふもふっ))))
その晩、宿屋の1部屋から「もふ」という言葉が時折聞こえてきたとか。