第5話 受け入れるしかない、よね
「わかったよ」
「ぇ?」
ルーンが困ったように苦笑いをしながらそう言うと、バルトは目を見開いた。
(「ぇっ?」て、リーダーが自分が言ったのになんでそんな顔するのさ)
「色々思い返してみたんだけど、そうだね…僕は皆のお荷物だったな、って」
言いながら、今にも涙が出てきてしまいそうなのを必死で堪える。
「「「~~~」」」
「ルー…」
ルーンに声をかけようとバルトが手を伸ばしかけた瞬間
バシン!!と、大きな音が響いた。
ルーンが顔を上げると他のメンバー3人がバルトの後頭部を一斉にど突いていた。
「ルーンを虐めないでよぉぉ!!」
「悪趣味すぎる」
「いい加減にしないと、呪うよ?」
「っ~~~~~」
涙目になりながら後頭部を抑えるバルト。
そして、
「だってだってだって!ルーンの怒った所見たかったんだもん!!」
駄々っ子の様に地団駄を踏みながらそう言うが、またしても他のメンバーにど突かれる。
は?
「?????」
訳が分からず目が点になっているが、どんどん話が進んでいく。
「だからって、言って良い事と悪い事が、ある!!」
「ルーンが抜けるなら俺も抜けるぞ」
「度が過ぎると貴方を追放しますよバルトさん!!」
「えぇ…俺リーダーなのに」
何が何だかわからず皆の顔を見る
皆笑顔の筈なのに、目が笑ってない…怖い…
「ルーンの困った顔、悩んでる顔、めちゃくちゃ可愛かった。
けど、これはダメ、良くない」
両手を組みながらメルダが低い声を出しながらバルトを壁へ追い詰める
「トラウマになったらどうする気です!?」
シェーンが珍しく戦闘時以外で怒っている。
「その時はお前を真っ二つにするからな」
とブリッジが追い討ちをかける。
みんな相当おかんむりだ。
「いたいけなルーンにこんな悪質なドッキリとか、お前はどういう頭してるんだ?」
他の2人にも詰め寄られ、壁際のバルトは顔を青くしていく。
「みんなだって見たかったんじゃないの!?
ルーンがこのパーティーに居たいって必死になる姿をさ!!」
半泣きになりながら同意を得ようとするバルト。
3人は「うっ!!」っと呻き声を洩らし
「……否定は出来ない、わ」
「…まぁ…な…」
「見たくないと言ったら嘘になりますが…」
ゴニョゴニョとそれぞればつが悪そうに視線を漂わせた。
そしてルーンの方を見て
「「「ルーン!!!」」」
「わっ!?」
ガバッ!という音がしそうなくらい、一斉に勢い良く抱きついた。