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第2話 知り合ったきっかけ


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


数ヵ月前


ルーンがギルドに登録をした日


登録したて、作ったばかりのギルドカードに目を輝かせる。

先ずは初心者用クエストであるスライム討伐を申し込もうと、カードを握り締めながらクエスト受付の窓口へ向かった。


「このクエストお願いします!!」


「はい、こちらですね…!?」


差し出した受付表の紙を受け取るが、満面の笑みのルーンを見た瞬間、受付のお姉さんは固まった。


「?」


「ぅぁ…きゃ…きゃわわぁ…」


自分の顔を見て固まってしまったお姉さんに首を傾げる。


「お姉さん?」


「ぅわはぁぁぁぁ!?!?!?」


「ひっ!?」


受付のお姉さんの奇声に驚いて身体が跳び跳ねた。

ちょっと、いや、かなり怖くなってきた。

…これがギルドの洗礼ってやつ??


「ええっと…?このスライム退治、一人でも大丈夫なやつですよ…ね…?」


怯えつつも、洗礼に負けないぞ!と心を奮い立たせながらクエスト説明の紙を指差しお姉さんに尋ねた。


「はっ!!…こほん、失礼いたしました。

はい、こちらは他にも人が集まっているので一人でも参加可能なクエストです」


咳払いをし、キリッと表情を戻しながら説明をしてくれる。

が、心なしか少し震えているような…?


「ですが…」


「ですが?」


ゴクリ…


思わず息を飲む


一瞬何かを考える様な表情をしたと思ったら、次の瞬間頬を赤らめながら勢いよくルーンの手を取り


「で・す・が!クエストではなく私の部屋の家政夫なんでどうでしょう!?」


「……は?」


ざわっ


ギルド内がざわつく


『え!?先輩ずるい!!私もモフモフわんちゃん触りたい!!』

『そんな…シンシアさん狙ってたのに…』

『なん…だと!?』

『なんて羨ましい…』

『俺の推しが同棲!?』

『おねショタか…悪くない』


耳が良いので色々聞こえてくる


(クエスト受付のお姉さんは登録係のお姉さんの先輩なんだ。

ってか、おねショタって…なに?)


とりあえず手を離して欲しいのだがなかなかに力が強く、懸命に上下に振っているのに全然振り払える気がしない。


くっ…これがギルド!!

受付のお姉さんも強いのか


周りからの視線が凄く痛くて(あと色々聞こえすぎて耳も痛い)泣きたくなっていると、スッと横から男性が間に割って入ってきた。


「シンシアさん、これ今回のクエスト成果ね」


笑顔の男性とは反対に、掴んでいた手を離され若干不満そうな受付嬢。


「…はい、クエスト達成おめでとうございます。

今はこちらの方を案内しておりますので後程手続きいたしますね」


男性はとてもぞんざいな扱いをされても気にする素振りもない。


「あ、今から俺らがこの子のクエストに同行するよ」


「「えっ!?」」


ルーンと受付嬢の声がハモった。


「って事でその間に手続きよろしくね~」


そういうと男性はルーンの手を引いて外へと歩き始めた。


ルーンは手を引かれるまま着いていく。


受付嬢が「ちょっと!?まだお話終わってないんですけど!!」と喚いているが男性は気にする素振りもない。


良いのかな?と心配しながら男性を見ると、目が合った。

ニコッと、笑みを浮かべながら手をきゅっと握ってくれた。


(お兄さんは助けてくれたんだ!

かっこいいなぁ…僕も、こんな風に軽やかに対応出来る様になりたいな)


そう思いながら手を握り返した瞬間、お兄さんの肩が跳ねた気がした。




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