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第1話 これが今流行りの『追放』!?
それは突然の事だった
「ルーン!!お前はもうこのパーティに不要。はっきり言ってお荷物だ。
今日限りでお前を追放する!」
リーダーが切り出す。
いきなり何を言い出すのかと他のメンバーは呆気にとられた。
宣言された当事者である犬獣人の男の子、ルーンは困った様に耳と尻尾を項垂れさせた。
事の発端は夕食後、リーダーに部屋に召集され、全員集まった所でリーダーが「さて」と咳払いをし、冒頭の追放宣言をしたのだった。
リーダーである剣士、バルトはルーンを指差し見つめたまま動かない。
他のメンバー3人、メルダ、シェーン、ブリッジは神妙な表情を浮かべながらその光景を見守っている。
が、心なしか皆バルトを睨んでる気がする。
ルーンは弓使いだが匂いや音に敏感で、弓使いとしての腕より索敵能力を買われてこのパーティに誘われた。
(自分なりに頑張ってはいたけど…)
張り詰める空気に居心地の悪さを感じながら、自分の今までの行動を振り返る。