なぜか開く口
「優生、彼女といい感じ?」
「からかうなよ」
少しおどけた口調で言う。
「デートとかしたんだろ」
「したけど」
「いいなー、お幸せに」
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、会話が終わる。
中学の授業は、退屈とはいえど俺は寝ずに起きていた。
「優生ーここわかんない」
「これは座標を文字でおいて、方程式を立てて………………」
「わかった!ありがとう、優生」
「ん」
起きている理由は一つ。彼女が隣の席にいたからだ。俺の彼女は運動はあまりできず、勉強も平均。料理が一切できないなどの欠点も多くあった。それに加えて自分とは価値観も違い、かみ合わないことも多々あった。
それでも愛おしかった。恋愛感情を抱いていた。
「なーちゃん。今日の放課後暇?」
「ごめん!今日は用事があるの」
「そっか、またあとでね」
女子生徒数人が教室から出て行った。
「優生、一緒に帰ろ」
「いいよ」
俺は楽しい中学生活を過ごしていた。あの出来事までは。
「優生。もう……」
俺は目を覚ました。学校から帰ってきてずっと寝ていたらしい。夜中の三時だ。俺は部屋着に着替え、洗濯など寝ている間にできなかった家事をする。
もう一度寝ようと横になるとインターホンがなった。
「後輩ー!助けて―」
隣の残念な先輩だ。
「どうしたんすか、夜中の三時に」
「レポート手伝って!」
俺はさっきまで寝ていたし、やることもないため手伝うことにした。
「まぁいいですよ」
「よっしゃ!ありがとう」
先輩の家に入る。部屋が汚い。最近片付けを手伝った記憶があるのだが気のせいか。
「先輩今回はどんなレポートですか?」
「今回は力学のやつでテキスト読めば…………どうした後輩元気ないな」
「夜だからじゃないですか」
「なんか違う。悩みでもあるの?人生の先輩が聞いてあげよう」
言葉はいつものようにふざけている。しかし雰囲気が違う。
いつもは残念な面ばかりの先輩が優しく、真面目な顔をしている。
(なんでこの人はわかるんだ)
俺は一つも顔に出していない。いつものように振舞ったはずなのに。
「言いたくないなら大丈夫だよ。後輩も少しは周りの人に頼りな」
なぜか俺は口を開いていた。
「実は……」
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