同調圧力
「飯食おーぜ」
俺は政宗に声を掛けられる。
「お前も久しぶりだな」
「土日挟んだだけだろ。そんなことよりそろそろ部活ちゃんとやろうぜ」
「あー、そんなのあったな」
「優生はサッカー上手いんだし、すぐスタメンになれるって」
「いいよ別に試合に出れなくても。運動できれば」
「もったいないって」
「熱意ないし、なによりめんどくさいって」
「まぁいいや。その気になったらいつでも来いよ」
「ありがと」
「で、恋愛は好きにさせられた?」
「そんなわけないだろ」
「篠原さんとデートとかしたんか?」
「デートは……してないけど」
「デートはってことは他になんかしたんだ」
「一緒に帰った」
「それで?」
「……キスされた」
政宗がむせる。
「ゴホッ……」
「どうした急に」
「キッ……キ……キス!?」
「声でけえよ」
「ごめんごめん。それがち?」
「がちだけど」
「羨ましいわ」
「でもお前女子苦手じゃん」
「確かにそうだけど」
「隣の芝生は青く見えるんだよ」
「まぁそうかもな。優生もいろいろあったもんな」
「そう……だな」
嫌なことを思い出した
俺は放課後になると足早に家に帰った。
家に帰り思い出した記憶を消し去るためにベットに入り寝ることにした。
「最低」「ゴミ」「クズ」
幾度どなく浴びせられた、罵詈雑言。
幾度どなく向けられた、嫌悪の籠った目。
どんなに弁明しても耳を貸さない。こっちの気も知らずに人を傷つける。
そんな忌々しい記憶と共に眠りについた。
人の心はすぐに揺らぐ。自分が正しいと思っていたことも、周りの多くの人が否定すれば間違っているのかと思い始める。
多くの人が人を傷つけているなら、自分も傷つけていいと思い始める。
俺はそんなことを中学の時に痛感した。
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