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嫌いなこと



 

「恋愛は嫌いだ。」


 デートのためだけに自分の時間を割く。相手に共感しなければならない。相手に振り回されることもある。自分とは価値観が違う。めんどくさい。相手の欠点も愛おしく見える?馬鹿らしい。

 もし結婚なんてしてしまったら、自分が苦労して手に入れた金も使われていく。俺は心底「恋愛」というものを嫌っていた。






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 ありきたりな告白のセリフだ。しょうもない、くだらない。

 そんなことを考えながら昼休みに同級生の恋愛話に生返事を返していた。


「ねぇ、聞いてる?そう思うよね」


「どうでもいいよ。恋愛なんて、」


 そう吐き捨てて教室を出た。


 いやな話を聞いたな、気分悪い、そんなネガティブな考えしか出てこない。

 俺、平優生(たいらゆうき)は高校一年生であり、青春真っただ中だが恋愛は好きではない。

 いや、もはや嫌いである。


 余った昼休みの時間をどうつぶそうか考えていると後ろから声がかかった。聞きなじみのあるの声だ。


「どうしたの?」


「……なんもないけど」


「不機嫌そうだけど」

 そう言って俺の背中を軽くにらむのは霧田侑芽きりたゆめ。俺の幼稚園からの幼馴染だ。


「また恋愛関係?」


「…………そう。」


「自分が変わらないと。また同じことになるよ」


「……………………わかってる…」


 いつもより悲しい音色のチャイムが鳴った。


 午後の授業は気だるく、何も頭に入らなかった。


 その日は重い足取りで帰路についた。


「自分が変わらないと。また同じことになるよ。」


 その言葉がずっと頭に残り離れなかった。





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