第5話 五日目
小説というよりは音声作品の台本をイメージして書きました。
小説だと思って読むと文がぐちゃぐちゃなので台本だと思って読んでください。
気分が乗ったら続きを書きます。
キーンコーンカーンコーン
……ふぅ。
今日は家の手伝いがないから、図書室にでも寄って帰ろうかな。
今日来るって連絡はなかったし、店番はお母さんたちに任せても大丈夫……だよね。
最近は自分から店番をやりすぎて、お母さんたちが不思議に思ってたし。まだ私が男の子と会ってることは気づいてないみたいだけど、たまには休憩しないと。
私のいない時に来ちゃったら話せないし、本を読みながらでもできるから私は別にずっと店番をしててもいいんだけど。他にやることもないし。
……まあいいや。とりあえず図書室に行こう。
〜〜〜
意外と人、多いんだ。普段はあまり来ないから知らなかった。
家に帰ってからも好きな本は読めるし、せっかくだから普段は読まないような本を読んでみようかな。
……うん、これにしよう。
このタイプのちょっと大きい本、買ったら高いからちょっと手が出しにくいんだよね。
とりあえず読んでみて、面白そうなら借りてみよう。
……よいしょ。
学校の図書室で本を読むのって、そういえば初めて。
まあ別に家と何も変わらないんだけど。
とりあえずキリのいいところまで読もうかな。
……
……
……
……あっ、あれ?あそこにいるのって……
もしかして、あの人も本を読みに来たのかな?
せっかくだし、話しかけてみようかな。あっ、でも学校で私みたいな女の子に話しかけられるの、嫌かな。他の人に見られたら、変に思われちゃうかも。
……でも、あの人なら優しいし、大丈夫……だよね。
あの、えっと……
……!
……あ、あれ。よく見たら後ろに誰かいる……
あれは……女の子?うちのクラスじゃない人だけど。
でも年下とか年上って感じでもなさそう。同じ学年の人かな。
私以外にも女の子の知り合い、いたんだ。そうだよね。あんなに優しくて話しやすい人だもん。私みたいに、知り合いが少ないわけないよね。
何しに来たんだろう。女の子の方はあんまり本を読みそうな感じでもないけど、勉強でもしに来たのかな。
どうしよう、こんなに見てたらいつか気づかれちゃう。でも向こうが気になって本なんか読めないし……
……本は読んでないし、やっぱり勉強してるみたい。勉強してるというよりは、教えてあげてる?のかな。
成績なんて聞いたことなかったけど、頭良かったんだ。もともと良さそうだなとは思ってたけど。
……なんだかすごく仲が良さそう。さっき話しかけるのをやめてよかった。女の子と2人で勉強するのに、他の人から話しかけられたら気まずくなっちゃうよね。
……うん。仲、すごく良さそう。
もしかして、もしかしてだけど、あの2人は付き合ってるのかな。前に、誰かを好きになったことあるって言ってたし。
……
……どう、なんだろう。
……
……!あ、あんまりずっと見るのは良くないよね。うん。
……
……はっ!ダメダメ。これ以上見てたら本当に気づかれちゃう。隠れてずっと見てたなんて思われたら、あの人に嫌われちゃうかも……
今日は……うん。もう帰ろうかな。なんというか、本を読む気分でもなくなっちゃったし。
あの人が誰と付き合っていたって、私には関係のないことだもん。変に話しかけて、空気を悪くしないでよかった。
この本、面白かったけど、借りるのはいいかな。今日は家に帰ってもそんな気になれない気がする。
……私、なんでこんなに落ち込んじゃってるんだろう。