第4話 四日目
小説というよりは音声作品の台本をイメージして書きました。
小説だと思って読むと文がぐちゃぐちゃなので台本だと思って読んでください。
気分が乗ったら続きを書きます。
あっ、いらっしゃい。
今のお客さんは君だけ。平日のこの時間はあんまり人がいないから、この時間にして良かった。
メッセージアプリって便利だね。普段使わないけど、いざ使ってみるとすっごく便利。もっと早く使っておけば良かった。
……うん、あの本の話だよね。わかってる。
新しく読んだ方の本も登場人物がみんな素直で、わかりやすい恋愛小説だったね。
この書き方がこの作家さんの特徴みたい。
登場人物が前に読んだ方と少し似ていたから、最初の頃は似たような展開になるんじゃないかって不安だったんだけど、全然大丈夫だった。
前の本では登場人物みんなが自分の気持ちに気づいていたけど、今回の本は気づいていない子がいたから、話が全然違う方向になったのかな。
でもやっぱりその辺りの心理描写が細かくていいね、この作家さん。お気に入りになっちゃったかも。
あっ、やっぱり君も最後の展開には納得がいってないんだ。実はね、私もなの。
私たち読者から見ると好きって気持ちがバレバレなのに本人は気づいてない。ここまではいいんだけど、それを最後まで気づかないまま終わっちゃう子がいるのは、なんだかもやもやするよね。
あの子、結局どうなったんだろう。
結局主人公は自分の気持ちに気づいた他の女の子と付き合っちゃったし、もしあの後気づいてももう遅いよね。
う〜ん、主人公からしたらハッピーエンドなのかもしれないけど、あの女の子からしたら少なくともハッピーではないよね。
まあ、そこを含めて一冊の恋愛小説、ってことなんだろうけど。やっぱり気になっちゃう。
でも、面白かったよね。
うんうん、あの女の子のことは気になるけど、それでも面白いんだよ、この小説。
やっぱりこの作家さん、好き。
次に読む本なんだけどね、タイトルがすごく面白そうなのがあったの。君さえ良ければ、次の本はこれにしない?
ふふ、ありがとう。じゃあ次はこの本を読んでからまた集まろうね。
……別にこの本が読み終わってなくても、来てくれていいんだけどな。
君の話すの、楽しいから。
ほら、本を一冊読んでから集まるってなると、結構時間が空いちゃうし。それに、この本だけを読むわけじゃないでしょ?他の本も読んでるんだから、そのお話はできるよね。
私、お喋りが上手じゃない自覚はあるから。それでも君が来てくれれば、だけど。
私は君と話すの、好きだよ。楽しいもん。
うん、ありがとう。最近はよく店番してるから、気が向いた時にでも寄ってくれればいいよ。
はい、お釣り。じゃあ、またね。
またここで話すの、楽しみにしてる。