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本屋の娘と本の虫  作者: 秋空
3/6

第3話 三日目

小説というよりは音声作品の台本をイメージして書きました。

小説だと思って読むと文がぐちゃぐちゃなので台本だと思って読んでください。

気分が乗ったら続きを書きます。

はい。2点で1440円になります。


……!あっ……


あっ、はい。2000円ですね。560円のお返しです。ありがとうございました。



……いらっしゃい。来てくれたんだね。


さっき帰ったのが今いた最後のお客さんだから、もう今いるお客さんは君だけだよ。


ちょうどよかったね。他のお客さんがいると、やっぱりちょっと話しづらいし。二人っきりになれてよかった。


今日ここに来てくれたってことは、前一緒に買った本を読み終わったってことで良いのかな。


うん。私ももう読み終わったよ。私が普段読む小説とは全然違うタイプだったけど、面白かった。


なんていうか、すごく純粋な恋愛小説だったね。登場人物みんなの想いがかなり素直というか。


私は普段あんまり恋愛小説を読まないから知らないんだけど、恋愛小説って全部こんな感じなの?


あっ、君もあんまり恋愛小説を読まないんだ。そういえば、この作家さんの本も初めてだって言ってたね。


心理描写とかモノローグもミステリーと比べて少ないし、その分セリフが多いから読みやすかった。


私、昔から人を好きになるっていうのがよくわからなくて。だから恋愛小説を読んでも楽しめないって思ってたんだけど、読んでみると面白いね。


君はどう?誰かを好きになったこと、ある?


そうなんだ。ちょっと羨ましいかも。じゃあ、君の方がこの小説を楽しめてるかもしれないね。


……?どうしてそんな微妙な顔してるの?私、何か変なこと言ったかな。


なんでもない?……ならいいんだけど。あんまり人と話すのに慣れてないから、変なこと言ってたら教えてね。


あと私、この本を読み終わった後に調べたんだけど、この作家さんは他にも本を出してるみたい。


私は気になるから他の本も読んでみるけど、君はどうする?他のも読んでみる?


うんうん、やっぱり気になるよね。在庫にあるのを何冊か持ってくるから、ちょっと待ってて。



はい。今在庫にあるのはこれだけ。古い作品もあるから全部ってわけじゃないんだけどね。そんなにたくさん書いてる作家さんじゃないから、ほとんどあると思うよ。


軽く見た感じ、全部恋愛小説みたい。話は続いてないからどれから読んでもいいけど……どれにする?


うん。わかった。じゃあ私もこの本にする。やっぱり君と本の感想を言い合うの楽しいから。また今日みたいに話したい。


今日と同じみたいに、この本を読み終わったら私のところに来てくれる?


学校?……学校は、その、やっぱり人が多いから。ここみたいにほとんど人がいないところなら緊張しないで話せるけど、周りに人がいたら今みたいに話せないの。


ごめんね。私と話すのにわざわざうちの店まで来るの、面倒だよね。


え?今日より前にうちに来てくれてたの?その時は私が店番をしてなかった……?


そうだったんだ。気がつかなくてごめんね。


確かに私の店番は毎日じゃないし、店で会えないこともあるかもしれないけど、お母さんがお父さんに言って私を呼んでくれればよかったのに。


恥ずかしい……って、君ってお店の店員さんと話すのが苦手なタイプだったの?


うーん、確かに。せっかく来てくれたのに話せないんじゃあ意味がないよね。でも、学校じゃ今みたいに話せないし……


う、うん。スマホは持ってるけど。メッセージアプリも一応やってるよ、家族との連絡に使うから。


あ、そうか。スマホでうちに来る日付を話し合えばいいんだ。それならお互いに読み終わったタイミングもわかるし、日付を決めれば私もその日は店に出るし。


ところで、これってどうやって君を登録するの?


へえ、こんな感じで登録するんだ。今までは家族しか相手がいなかったけど、今日からは君が仲間入りだね。


じゃあ、この本を読み終わった時に連絡するから。その時にまたいつ会うか決めよう。


あ、お会計がまだだったね。話すのが楽しくて忘れてた。


はい、ちょうどだね。今日は来てくれてありがとう。


ばいばい、またね。

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