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新しい家
家に帰ると、お母さんが玄関で待ち構えていた。
顔には、なにやら嬉しそうな笑みを浮かべている。
「どうしたの?なにかあったの?」
「ききたい?」
「?・・・うん」
「住む家が見つかったのよ!!」
「うそ!はやいね」
私は、驚きを隠せずにいる。
一週間位はかかるかなと予測していたからだ。
「それで?どこなの。新しい家は」
「学校よ!!」
「はぁ?!がっこー?!」
「そう」
お母さんがフフッと笑って頷く。
「住める訳ないでしょ。いきなり何言い出すのよ!大体、学校っていうものはね、住むところじゃあなくって、勉強するところなんだから、先生たちが許してくれる訳ないでしょう?」
「だから、黙って住むのよ、隠れて。いい案じゃない?」
「いい案じゃない!!もう、私が家を探すよ。借金してでも」
お母さんになんか任せてらんない。
私が探さなきゃ。
ほっといて、任せてたらロクなところ探してこなさそうだわ・・・。