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布団
「どうだった?どんな人だった?」
部屋に帰ると、お母さんが興味深そうに訊いて来た。
「なんか二十一歳のギャルのお姉さんだった」
「へぇ」
「それにしても、帰ってくるの遅かったわね?」
「いっぱいしゃべってたから」
「そっか」
「うん。ていうか夜寝る布団は有るの?」
私は、部屋を見回した。
「・・・ない」
「えぇ?!この頃温かいけど風邪引くじゃん!!まだ春なんだから」
「だから、いったでしょ〜。学校にしようよって」
「い・や・だ。しかも、学校のどこで寝るのよ?!」
「保健室」
「・・・とにかくっ、シーツでもいいから、買いに行こ!」
私が、お母さんの腕を引っぱる。
「無理だよ」
「なんで」
「お金ないもん」
「・・・・・・・・・・・全財産いくら?」
「一万円」
「・・・・・」