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ラノベテスト

作者: ブーブク

ツッコミ「現代文の試験って小難しい内容が多くって嫌ですね。もう少しさ、気分よくスラスラとできるテストってないのかなぁ」

ボケ「そうですか?」

ツッコミ「例えば、もう少しライトノベル的なものにしてくれれば楽しく読めるのにって思いますよ」

ボケ「うーん、かもしれませんね!じゃ、やってみましょう。私、学校の先生やります。今日は現代文の試験監督やってます。あなた、現代文のテスト受けてる生徒の役でお願いします」

ツッコミ「わかった!俺が生徒役ね!」シャーペンを持つ動作


生徒、頭を抱えて

「うーん、何だろう、ここ…」


先生「どうした?難しくないだろ。質問があったらしていいからな」


生徒「はい。先生、質問です。ここの問題なんですけど、難しくて」


先生「貸してみろ。何々? 以下の文章を読んで問いに答えなさい…だと? 「水前寺雫すいぜんじ しずくに続き、水着型戦闘コスチュームで第三形態クリーン・アズマ・ボディーに変身した久遠寺くおんじシャルロッテも叫んだ!「私もお兄ちゃんのために、この身を捧げます!雫!瞬間テレポート・ハネムーンよ!! ああ…光の粒たちよ、我に力を与えたまえ! さあ、シャドーたち。くらいなさい!必殺・お兄ちゃんと月までハネビィーム!!」……問1 この文章を書いた男性作者の気持ちを30字以内で語りなさい…何だ。簡単じゃないか」


生徒「わからないですよ!答えを文章からさがす問題じゃないんですよ」


先生「そうかな。「語りなさい」だから、ここは作者になり切ってつぶやかなきゃダメだぞ」


生徒「書くんじゃないんですか!?嫌ですよ!おかしいじゃん!誰だよ、こんな問題つくったの!」


先生「私だよ!」


生徒「あんたかよ!もう…わかりにくいよ。それに誰だよ、このラノベ書いたの」


先生「私が書いたんだよ!小説大賞に応募してボツになった原稿使ったんだよ!悪いか!」


生徒「あんたかよ!……あの、先生。気持ち悪くなったんで、保健室に行ってもいいですか」


先生「ひどいこと言うなぁ。お前はラノベの楽しさがわかってない!」


生徒「楽しさって…何か内容ぶっとんでて、ついていけないんですけど!」


先生「問1がわからなければとばして問2をやりなさい。試験は時間内に終わらせることも大事だからね」


生徒「はい…」そして、しぶしぶといった感じでテスト用紙に目を落とし、問題文をぶつぶつと読み始める

「…問2。技を繰り出すときの久遠寺シャルロッテのお兄ちゃんへの熱い思いを20字以内で述べなさい………」


先生「簡単だな。そこは考えなくてもフィーリングでわかるはずだ」


生徒、うつむいて頭を抱える

「………………………………………………………………………わからない!!」


先生「サービス問題だぞ!」


生徒、むっとして

「わかりません!」


先生「じゃあ問3を先にやりなさい」


生徒「問3。水前寺 雫 と 久遠寺 シャルロッテの作者への熱い思いを長文で語りなさい。やだよ!!「長文」って何だよ、字数制限ないんだよ、これ!」


先生、困ったように

「サービス問題だぞ。点数がとれるように作ってやったんじゃん。どうして語らないんだ」


生徒「また語るのかよ!何で面接方式になるんだよ」


先生「じゃあ問4いきなさい」


生徒「問4。闇の組織シャドーの幹部ブラフ・ブリーフの野望を食い止めるため、ラノクリニック博士が開発したスクール戦士たちの平時におけるコスチュームは次のABCのうちのどれか。 A.鋼鉄パット装填90年式ボディコン・スーツ B.機械と融合した名門私立校制服型 C. 赤い口紅とサングラス…ブランド物の上下黒ずくめ、ストライプ入りドレス…これ全部あんたの好みだろ!何か古くさいし!マニアックすぎてわからないよ!」


先生「3択だぞ!どれか〇しとけば当たるかもしれないんだぞ」


生徒「俺だけ正解していたら、何か嫌だな。じゃあ、Cかな」


先生、ため息をついて

「わかってないなぁ…」


生徒、むっととして

「何だよ、違うの?」


先生「いや、そうは言ってない」


生徒、読み始める

「次の文章を読んで問いに答えなさい。「シャルロッテの戦いは終わった。でも、もうあたしは普通の女の子に戻れない…そんな思いと、お兄ちゃんへのもどかしい恋心。ときめきを隠せない自らの鼓動。シャルロッテの心は嵐。昼間のシャドーたちとの戦いから一転、今は一人の17の乙女として、故郷のクッキー・タウンに戻ってきていた。窓の外では、月が雲に乗り、それはまるでパフェのグラスの縁に刺したグレープフルーツのように空に優雅に浮かんでいた。戦士たちの戦いは果てしなく続く。そして、お兄ちゃんへの慕情は止まらないのだ」…なげえな、おい!」


先生「問題文の中に答えは書いてあるんだから、よく読みなさい」


生徒「問題ね…ある意味、大問題だよ」


先生「ごちゃごちゃうるさい」


生徒、読み始める

「問5。この作品のあとがきを4千字で書きなさい。おいっ!」


先生「私、書いてなかったからね」


生徒「だから何で俺が!もうやだよ!!」

                                              完



















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